川崎駅前の”路上ライブの聖地”が登録制に! 川崎駅東口駅前広場が 8月から路上演奏の事前登録制で演奏者と通行者の共存を目指す
2025年8月1日より川崎駅東口駅前広場において、路上演奏の登録制の試行運用を開始すると、川崎市が発表しました。JR川崎駅の東口にある駅前広場は、路上ライブが盛んな場所で知られ、「路上ライブの聖地」とも呼ばれます。しかし、近年増加している苦情や通報に対応し、一定のルールの元での演奏活動環境を検証することになりました。
路上ライブを事前に登録してもらうという取り組みは、多くの市民に利用される広場の機能を維持しつつ、路上演奏を音楽文化として継続していくことを目指したもので、神奈川県内の自治体では初の試みとなるそうです。まずは、2026年3月31日まで実施予定としています。
川崎駅東口の路上演奏、登録制導入の背景と目的
JR川崎駅は1日平均の乗車人員が18万7千人(2023年度/JR東日本公表値)を超える首都圏の大規模駅の一つです。
そんなJR川崎駅と京急川崎駅の間に位置し多くの人が行き来する川崎駅東口駅前広場は、マカロニえんぴつや優里などが路上演奏を行っていた場所として知られており、「路上ライブの聖地」の一つとして多くの演奏者が観客を集めている風景を見かけます。その一方で、これまで路上演奏に関する苦情や警察署への通報が多数寄せられていたようです。
特に、SNSでの開催予告による観客数の増大、大音量での演奏、夜間における演奏などが問題視されていたといいます。こうした状況を受け、川崎市は路上演奏を「音楽のまち」の貴重な文化として維持しつつも、公共空間としての広場の機能を保つため、指定エリアでの演奏活動を登録制にする「川崎駅東口ストリートミュージックパス」の試行運用を決定しました。これにより、音楽文化と公共空間の調和を目指すといいます。

「川崎駅東口ストリートミュージックパス」の概要
「川崎駅東口ストリートミュージックパス」は、登録制の運用システムと、登録者に発行される登録証の名称です。このパスを取得した演奏者は、川崎市が道路使用許可を得ている指定の場所で、登録証を提示して演奏活動を行います。

演奏に関しては、演奏可能時間は12:00~21:00、大きな音が出る楽器(ドラムセットなど)や、一人で持ち運びできない機材の使用は禁止、アンプを使用する場合は出力10W以内1台まで、チケットやCD・グッズなどの販売行為や有料配信など直接的に営利を伴う行為は禁止といったルールが適用されます。
登録の受付は、2025年7月1日正午より「音楽のまち・かわさき」推進協議会のホームページにて開始されます。試行実施期間は、2025年8月1日から2026年3月31日までが予定されています。(変更や中止の可能性があります)
尚この取り組みは予約制ではないため、演奏場所は譲り合って利用し、時間・場所が重なる場合は当事者同士で調整解決するよう求められています。
今回の登録制導入は、路上ライブの聖地として知られる川崎駅東口において、演奏者と通行者双方にとってより良い環境を築くための重要な一歩となるのでしょうか。音楽文化の発展と公共空間の調和を図るこの新たな試みが、今後の川崎のまちづくりにどう影響していくのか注目されます。
(TOP画像:PIXTA、他画像:川崎市)
鎌田啓吾
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