建物財産標は昭和11年5月10日【木造駅舎コレクション】004
※2021年4月撮影
JR九州日豊本線椎田駅です。
以前、駅前は狭く住宅が並んでいましたが、キレイに道路が整備されロータリーができています。築上町による椎田駅北口「駅前広場」整備計画が令和3(2021)年度に完成したのです。駅舎は左側にあります。奥の茶色いビルは「築上町文化会館コマーレ」。
※2021年4月撮影
駅舎を東南側から。やっぱり瓦屋根は良いですね。
※2021年4月撮影
北西側。タクシー乗り場の上屋があるのでソノ下からの写真です。眼の前にバリアフリーのスロープがあります。
※2021年4月撮影
駅舎正面からは階段で駅舎に入ります。
※2021年4月撮影
木造駅舎ですが出入口はサッシ扉に換えられています。
※2021年4月撮影
出入口の右上に建物財産標がありました。昭和11年(1936年)5月10日の日付。教科書的には2.26事件の起きた年です。ベルリン・オリンピックで前畑秀子さんが200m平泳ぎで日本人女性初の金メダル。ラジオ中継の「前畑ガンバレ」は有名ですね。
※2021年4月撮影
委託駅ですが、訪問したのは金曜日でした。日曜日、月曜日、水曜日と金曜日の窓口営業時間は6:40~9:00。また火曜日・木曜日は16:00~20:00、土曜日は16:00〜18:00の間に営業しています。改札口にはICカード用簡易改札機が設置されていますが駅でICカード“SUGOCA”の販売は行っていません。チャージは可能です。改札口の上部には鳥や草花の絵がたくさん飾られています。
※2021年4月撮影
私は青春18きっぷに今日の日付を押印してもらっています。
待合室側から、足下には視覚障害者用誘導ブロック。
※2021年4月撮影
椎田駅の位置を見ておきましょう。日豊本線、起点小倉駅から12駅目36.9kmです。隣の豊前松江駅の木造駅舎がまたまたエクセレントなんですよ。次駅で紹介します。
※2021年4月撮影
窓口側から待合室。キレイに掃除され植物が飾られています。床には実に簡素な木製ベンチ。というよりも“縁台・床几(しょうぎ)”という感じのものが置いてあります。椎田駅の近くには福岡県立築上西高等学校があり、利用者がそれなりに多いからでしょうか。清涼飲料水の自動販売機が置かれています。
※2021年4月撮影
余談です。子供の頃、亡父の実家は大阪下町の町工場でした。夏の夕方になると近隣のおっちゃんたちが家の前の路地に打ち水をして縁台・床几に腰掛けて団扇をゆっくり動かしながら夕涼みしていました。足下には蚊取り線香。エアコンが一般家庭に普及する前、日本の夏という光景でした。
次回はホームから駅を眺めます。
(写真・文/住田至朗)
※木造駅舎などJR九州さんの許可をいただいて撮影しています。
※駅などについては『JR全線全駅』(弘済出版社/1997)、『週刊朝日百科 JR全駅・全車両基地01-60』(朝日新聞出版/2012-2013)他を参照しています。
※鉄道撮影は鉄道会社と利用者・関係者等のご厚意で撮らせていただいているものです。ありがとうございます。