JR東海 在来線 通勤型電車 315系は、従来車211系などと比べて、バリアフリー設備拡充、セキュリティ強化、冷房機能向上、座り心地向上などの進化がある。

車両とホームの段差縮小やフルカラー液晶ディスプレイ

211系5000番台にはない設備のひとつが、カラーユニバーサルデザイン対応フルカラー液晶ディスプレイ。1車両に6か所、配置される。

また、車両床面の高さを低くし、乗降口の車両端部をホーム側に傾斜することで、車両とホームの段差をより近づける。

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さらに車内防犯カメラを1両につき5か所、非常通話装置を1両につき3か所、車いす対応トイレも新たに1編成に1か所設置する。

AIで冷房制御を最適化、乗務員による手動補正を自動化

315系はまた、冷房機能に国内初の機能もつく。

同形式では、AIによる自動学習・制御最適化機能を国内で初めて導入。315系全車両の温度・湿度・乗車率などの車上データを地上サーバへ送信し、サーバ内のAIで最適化した冷房制御を実現する。

また、冷房装置の動作状態を車両から車両基地などへ常時送信し、故障の予兆段階で迅速なメンテナンスを展開。未然の故障防止をめざす。

こうした新機能追加で、315系の冷房能力は211系に比べて約3割向上するという。

座席幅拡大、遮熱・遮光ガラス採用でカーテン省略

座り心地も向上。一人あたりの座席幅は211系よりも1cm拡大し、腰への負担が少ない理想的な姿勢をサポートする形状の座席がつく。

ロングシート座席の端部につく袖仕切りには、透明ガラスを上部に採用した大型のものを採用する。

また、空間の広がりによる開放感を感じられるよう、天井を高くし、床面の色を中から外にむかって色を濃くするグラデーションに。

窓ガラスには、赤外線・紫外線を99%カットする遮熱・遮光ガラスを採用。これにより車両カーテンを省略した。

―――JR東海に登場する新型通勤車両 315系は、ことし2021年度から順次登場。久々のJR東海 在来線 新型車が、待ち遠しい。