※本記事でご紹介しております「鉄道車両基地見学ツアー東北編」は新型コロナウイルス感染症の影響で中止となっておりましたが、このほど出発日を改め、2021年11月8日(月) 12:00より発売を再開しました。ツアーの内容等に大きな変化はございませんので、2021年11月8日時点で記事に記載の日付等を変更(赤太字で記載)いたしました。(鉄道チャンネル編集部)

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旅行会社のJTBから鉄道ツアー「車両基地見学ツアー ~東北編~」が発売されました。1泊2日で東北私鉄3社の車両基地を見学し、秘境駅も追加で回りながら温泉にも入り、鉄道BIG4のホリプロマネージャー南田裕介さんのトークショーも聞けるという鉄道ファンのツボを押さえたプランです。

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上記リンクから販売サイトの行程表を見ていただければご納得いただけると思いますが、凄いですよ。12月11日に新幹線「やまびこ」で東京を発ち、足湯付き新幹線「とれいゆ つばさ」に乗り換えて、まずは山形鉄道フラワー長井線へ。荒砥車両基地を見学したら、今度は秘境駅として有名な「板谷駅」「峠駅」へ。その後福島へ移動し、ホテルで南田裕介さんのトークショー。翌日は福島交通飯坂線と阿武隈急行を乗り通し、最後はE657系特急「ひたち」で仙台から東京へ向かいます。

たとえるなら、新幹線、在来線、貸切バスまで使い倒して3社路線を堪能する「鉄道ファンが考えた好きなもの詰め合わせ強行軍」――さすが時刻表を出版する旅行会社、企画の裏に剛の者の存在を感じます。各社の車両基地で用意された体験プランも深い。

山形鉄道フラワー長井線「荒砥駅車両基地」

・ピット下からの車両見学ができます。(通常非公開)
・見学中の車両運転席の見学も可能です。
・車両基地見学後、ツアー専用貸切車両(定期列車連結)で赤湯駅に向かいます。日本最古の現役鉄道橋「最上川橋梁」からの景色などをお楽しみください。

福島交通飯坂線「桜水検修庫」

・車両の床下点検時に使用するピットに入ることが出来ます。
・車両の屋根上、パンタグラフの上昇降下の様子を間近でお楽しみいただけます。
・レール運搬時のみに使用するトロッコをご覧いただけます。
・保守点検時に自走出来ない車両を牽引する移動機の自走もご覧いただけます。
・引退した7000系6編成に掲出したヘッドマーク(6種類)をご覧いただけます。

阿武隈急行線「梁川車両基地」

・貸切列車に乗車したまま、梁川駅から梁川車両基地に入線します。
・車両基地内、車両の屋根の様子を間近でお楽しみいただけます。
・車両同士が、連結する様子を間近でお楽しみいただけます。
・軌道用モーターカー(TMC)の見学ができます。
・ピット下からの車両見学ができます。(通常非公開)

※いずれの車両基地でも当日の状況により見学内容が変更になる可能性あり。

サイトには「最少催行人数20名」と書かれており、JTBは本当にこのツアーを楽しめる猛者が20人以上いると踏んでいるのだろうか? と半ば疑問に思いましたが、そうはいってもプロの旅行会社の考えるプランです。行程表を眺めながら細かいところを拾っていくと、最近「鉄」を始めたばかりの方にとっても、東北私鉄を巡るとっかかりとなり得るエッセンスが詰まっていることに気付きました。

(1)2日間で効率よく3社全線を完乗できる

国鉄時代の路線を引き継いだ山形鉄道には、今なお大正時代の駅舎などが残ります

実はこのツアー、初日に「山形鉄道フラワー長井線」、2日目に「福島交通飯坂線」「阿武隈急行」をそれぞれ完乗します。特定の目的地に行くだけだと末端区間が残ってしまうこともありますが、乗り残しは許さないとばかりに行程が組まれています。

もちろん各路線の完乗自体はそう難しいことではありません。いずれも起点駅まで東京から新幹線で行ける路線ですし、フリーきっぷも各社ともに発売しています。とはいえフラワー長井線と福島の2路線はまとめて乗るにはやや離れており、1回の旅でまとめて乗車することは機会もそうそうないでしょう。

飯坂線を走るのは元東急の1000系電車。ツアーでは飯坂温泉をのんびり堪能する時間も用意されています

最近「乗り鉄」を初めた方、まだ東北は手つかずという方には、車両基地巡りついでに効率よく3私鉄をコンプリートする丁度良い機会になりそうですね。また別稿でも触れますが、フラワー長井線では気動車、飯坂線では直流電車、阿武隈急行線では交流電車と様々なタイプの列車に乗れるよう配慮されています。

阿武隈急行の8100形、2019年の台風により1年間近く不通となっていた区間を走行します。

(2)秘境駅も見学

秘境駅には今なおスイッチバックの遺構が残ります

今回のツアーでは、「ちょっと贅沢な寄り道」も行程に含まれています。訪れるのは奥羽本線の「板谷駅」と「峠駅」、有名な秘境駅です。

福島・山形県境の勾配を越えるため、かつて「赤岩駅」「板谷駅」「峠駅」「大沢駅」の4駅はスイッチバック設備を備えていました。しかしながら、山形新幹線開業とともに在来線の電車も置き換えられたことでスイッチバックは廃止され、現在はその遺構が残るのみとなっています。

旅行プランでは「『板谷駅』『峠駅』の駅および周辺施設の見学を行う」と紹介されていますが、問い合わせたところ、ツアーではこのスイッチバック遺構を見るためにわざわざ板谷駅周辺まで貸切バスで乗り付けるとのことでした。雪除けのスノーシェッドも見学できます。

また行程表にもひっそりと記載されていますが、初日の午後、国の登録有形文化財である旧山形交通高畠駅の見学タイムがあるようです。知らないと取りこぼしてしまう場所の一つで、石造りの駅舎や保存された電車・機関車を見て回る絶好の機会と言えます。

(3)特別ゲストに南田裕介さん

鉄道BIG4の一員、ホリプロマネージャーの南田裕介さん

どちらかと言えばコアな鉄道ファン向けの「おススメポイント」かもしれませんが、スカパー「鉄道チャンネル」でもおなじみ、鉄道BIG4 ホリプロマネージャーの南田裕介さんもご一緒します。初日の夕食後、20時から南田さんとのトークイベントが行われる予定となっています。

どんなことを喋っていただけるのかは分かりませんが、まあ南田さんのことですから鉄道ファン向けに面白い話をしてくれるんじゃなかろうか?と期待しています。以前このサイトでも紹介した「見どころ満載ローカル鉄道の旅2日間(静岡編)」でも好評だったようですし……。

気になるお値段は?

2021年12月11日(土)〜12月12日(日)東京発着の「車両基地見学ツアー ~東北編~」――気になるお値段は大人お1人様 (消費税込)で72,800円〜86,800円になります。

基本的には7~8万円ほどで楽しめるツアーですが、ホテルの部屋を「トレインビュールーム」に変更したり、往路やまびこ号の座席をグリーン席にするといったオプションを付けることもできますよ、というイメージです。グリーン席には南田裕介さんも乗車されるそうで、コロナ対策もかねて2,000円ほど上乗せするのはアリですね。

申込受付期間は2021年11月8日(月)12:00 〜 11月19日(金)23:59 まで。お申し込みは下記リンクから!

車両基地見学ツアー ~東北編~(JTBホームページ)
https://jtb-entertainment.net/tour/2021/tetsutabi_tohoku/