※2020年8月撮影

トップ画像は、美祢線長門湯本駅。大きな木造駅舎があります。屋根瓦の一部の色が違っているのは葺き直されたのでしょうか。皮肉なことに美祢線木造駅舎はこの駅で最後ですが日本海側に来て天候が回復してきました。

長門湯本駅のホーム上に41.0kmキロポストがありました。美祢線終点の長門市駅まであと駅は2つ、5.0kmです。瀬戸内海から日本海まで、この辺りは50km程なのですね。

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駅前ロータリーに四郎ケ原駅に植えられていたカイヅカイブキ(ヒノキ科ビャクシン属)があります。不思議な形の樹木なので目立ちます。しかし駅舎正面にこの植栽があることで正面から駅舎全体をとることができませんでした。

※2020年8月撮影

渋木駅前を流れていた深川川に沿って温泉街が続いていて少なくない観光客が歩いていましたが、長門湯本駅は温泉街から500mほど離れています。長門湯本温泉のお客さんはほとんどこの駅を使わない様です。山陽新幹線新山口駅に温泉旅館の送迎バスが発着しているのです。近隣県の方は自家用車。

立派な駅舎ですが出入口と庇が瓦葺きだったら完璧なのになぁ、と個人的には惜しく感じました。

※2020年8月撮影

駅出入口。駅前の植栽でこれ以上カメラが下がれません。

※2020年8月撮影

長門湯本駅は、1924年(大正13年)美禰線(1963年以降は美祢線)が正明駅(現・長門市駅)まで延伸した際に開業。1986年(昭和61年)駅は無人化。この様に大きな駅舎がありますが、ホームは島式ホームの片側が廃止され線路も撤去。単式ホームになっていました。利用者が多くない(20人/日程度)のです。駅舎には駅が開業した1924年(大正13年)3月の建物財産標がありました。

※2020年8月撮影

美祢線の木造駅舎はこの白い建材で補修されています。こちら側の妻壁部分はオリジナルの木材かな。

※2020年8月撮影

30分以上長門湯本駅にいましたが、唯一すれ違ったのはこの男性だけでした。

※2020年8月撮影

駅で何か考えている様だったので「上り下りとも当分列車は来ませんよ」と声をかけました。何と「九州からこの地への移住を考えていて出物の不動産を見に来た」とのこと。温泉が出て、閑かなこの長門湯本で暮らしたいと話していました。日本海も近いので美味しい海産物もあります。羨ましいなぁ。

ご覧の様に駅前は温泉街ではありません。温泉街は左の方に500m以上離れています。

※2020年8月撮影

これにて美祢線の木造駅舎はお仕舞いです。

起終点駅を除き美祢線には10駅ありますが、そのうち7つが木造駅舎という素晴らしい路線でした。

さて次回は?

※鉄道の撮影は鉄道会社、鉄道利用者、関係者などのご厚意で撮らせていただいています。撮影は何よりも安全が最優先。あくまでも業務・利用の邪魔にならないように、そしていつも感謝の気持ちを持って撮影しています。

(写真・文章/住田至朗)