【木造駅舎カタログ】山田線01/74 上米内駅

2021.10.13

※2020年9月撮影

トップ画像は、JR東日本山田線上米内駅。

2020年8月22日のJR東日本ニュースを見て急遽山田線の3駅を撮影に向かいました。駅舎が更新される茂市駅、区界駅、川内駅以外にも山田線の木造駅舎を撮ってきました。撮影は2020年9月上旬。

山田線は盛岡駅から宮古駅を経て現・三陸鉄道リアス線の釜石駅までの路線でした。しかし東日本大震災で被災した宮古駅~釜石駅間はJR東日本が復旧工事を行った後、2019年(令和元年)3月三陸鉄道に移管されました。元来は陸中山田駅の山田町を目指したことから山田線と命名されましたが現在陸中山田駅は三陸鉄道リアス線の駅になっています。山田町を通らない山田線なのです。

山田線の上米内駅からスタートします。駅舎は駅が開業した1923年(大正12年)の木造駅舎ですが、2020年(令和2年)4月にクラウドファンディングを使った駅舎の内外装リニューアルが実施されました。JR東日本の無人駅を活用した地域活性化プロジェクトの一環です。全体のデザインはリニューアル前と変わっていませんが、外装は屋根を含めリニューアルされています。

駅前は広場になっています。

2※2020年9月撮影

上米内駅は、1923年(大正12年)開業。1928年(昭和3年)区界駅まで延伸。2018年(平成30年)盛岡駅~宮古駅間がCTC(Centralized Traffic Control=列車集中制御装置)化され無人駅になりました。山田線は、1950年(昭和25年)の釜石線全通までは岩手県北部で唯一内陸と太平洋岸を結ぶ公共交通機関でした。車両は利用者であふれていたそうです。今は昔。

リニューアルされた駅舎にはウルシカフェなどがオープンしています。出入口にはウルシが飾られています。

※2020年9月撮影

上米内駅は列車交換可能な相対式ホーム2面2線。駅舎側が下りホームです。この先は区界駅までJR東日本在来線では最長の駅間25.7km。2016年(平成28年)までは大志田駅と浅岸駅がありましたが廃止されました。この2駅は山間の急勾配区間で蒸気機関車時代には共にスイッチ・バックの駅でした。現在、廃駅周辺にほとんど人家も無い様です。

ちなみに運行本数の少ない山田線撮影はレンタカーを使いました。上米内駅から県道204号線で山田線に沿う様に進んで、廃止された大志田駅跡、浅岸駅跡を覗いて行きたいと考えたのですが、上米内駅のウルシカフェの方に訊いたら「ぜったいに止めた方が良い 204号から浅岸駅方面に分岐する林道は未舗装でほとんど車も通らないので通行できるか分からないし熊が出て危険」とのこと。諦めて安全な道で区界駅に向かいました。

※2020年9月撮影

駅出入口。

※2020年9月撮影

駅舎の北東側に側線が延びていて保線車両が駐められていました。

※2020年9月撮影

駅の正面。左に石碑があります。

※2020年9月撮影

宮澤賢治の歌碑です。

※2020年9月撮影

「燃えそめし アークライトは 黒雲の 高洞山を むかひ立ちたり」と賢治23歳、盛岡高等農林学校時代の短歌が刻まれています。調べると横の建物に米内地区の住民グループ「ゆいっこ米内村」があって、彼等を中心にした「宮澤賢治碑を作る実行委員会」が2011年(平成23年)に建立したものです。上米内駅の南側に米内地区のシンボル高洞山(522m)があります。その山を歌った賢治の短歌です。

※鉄道の撮影は鉄道会社、鉄道利用者、関係者などのご厚意で撮らせていただいています。撮影は何よりも安全が最優先。あくまでも業務・利用の邪魔にならないように、そしていつも感謝の気持ちを持って撮影しています。

(写真・文章/住田至朗)


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