【木造駅舎カタログ】山陰本線11/111 戸田小浜駅

2022.03.02

※2020年8月撮影

トップ画像は、山陰本線戸田小浜駅。オリジナルの駅舎は青い瓦屋根の部分、瓦屋根下の軒が右に引き延ばされた部分は改修時に増築されています。

極端に言うと、下の写真のカラー部分だけが戸田小浜駅なのです。トップ画像の写真を加工しています。

※2020年8月撮影

実際に老朽化した木造駅舎を解体撤去して新たにコンパクトな駅舎が新築されるケースでは、ほとんどの場合、上のカラー部分程度の極めてコンパクトな待合室が作られています。

それを考えれば、戸田小浜駅の様にキレイに改修されて実際に地域などの方々に有効利用されているのは古い木造駅舎の理想的な姿かもしれません。鉄道会社が負担される固定資産税などのコトはよく分かりませんが、個人的には木造駅舎が無人駅化されて大部分が使われないまま、徐々に朽ちていくのを見ることよりも遥かに健全だと嬉しく思います。

戸田小浜駅の場合は、かつての駅事務室部分は「戸田駅前コミュニティセンター」として利用されています。また右側は、増築されて「JAしまね」が入っています。

※2020年8月撮影

戸田小浜駅は、1925年(大正14年)国有鉄道山陰本線が石見益田駅(現・益田駅)から延長され終着駅石見小浜駅として開業。同年戸田小浜駅に改称。1927年(昭和2年)山陰本線は隣の飯浦駅まで延びました。1963年(昭和38年)貨物取扱廃止。国鉄分割民営化でJR西日本の駅になり1990年(平成2年)無人駅になります。

この青い屋根瓦の本屋部分がオリジナルの駅舎です。

※2020年8月撮影

迂闊なコトに現場では気がつかなかったのですが、瓦屋根の鬼瓦にJRマークが金色で入っています。無理矢理トリミングしているので画像は荒れていますがご覧ください。

※2020年8月撮影

鬼瓦は、日本式建築の棟端などに設置されている板状の瓦です。主に厄除けや飾りとして設置されます。機能的には屋根材に雨水が浸入することを防ぎます。鬼瓦という名前から鬼の顔をしたものと思われがちですが、様々なデザインがあります。個人的にはゴシック教会のガーゴイルとどこか繋がっている様に感じます。

鬼瓦の起源として伝わっているのは、ギリシア神話のメドゥーサをローマ時代の都市パルミラで建物の入口の上に厄除けとして飾っていたのがシルクロード経由で中国に伝わり、それが日本にも渡ったというものです。日本最古の鬼瓦は飛鳥時代。約1400年前の法隆寺寺院跡から発掘された蓮華文鬼瓦と言われています。8枚花弁の模様、蓮華文鬼瓦に鬼はいません。

注意深く撮った写真を改めてチェックしたところ戸田小浜駅の鬼瓦には全てこの金色のJRロゴが刻印されていました。たぶん筆者が「JR鬼瓦」に遭遇したのはこの駅が初めてだと思います。

JR西日本さんのオリジナルでしょうか。しかし“やるなぁ!” カッコ良い!

「JR鬼瓦」で興奮して忘れるところでした。駅舎の横に鳥居と「柿本人麻呂生誕地」の石碑がありました。鳥居には「大正拾二年」の日付。1923年です。駅の開業よりも先ですね。

※2020年8月撮影

※鉄道の撮影は鉄道会社、鉄道利用者、関係者などのご厚意で撮らせていただいています。撮影は何よりも安全が最優先。あくまでも業務・利用の邪魔にならないように、そしていつも感謝の気持ちを持って撮影しています。

(写真・文章/住田至朗)


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