※2020年8月撮影

トップ画像は、山陰本線波根駅。同じ日に開業した久手駅舎とほぼクローンの様にそっくりな駅舎です。残念ながらこの駅も朝日の逆光です。久手駅には巨大な蘇鉄がありましたが波根駅は松の木です。コッチの方が木造駅舎には似合います。久手駅同様に駅舎外装は新建材で補修されていないのが良いです。

波根駅は、1915年(大正4年)日本国有鉄道山陰本線の延伸にともなって隣の久手駅と同じ7月11日に開業しています。1962年(昭和37年)貨物取扱が廃止されました。1987年(昭和62年)の国鉄分割民営化でJR西日本の駅になって、1990年(平成2年)無人駅になっています。

ADVERTISEMENT

駅前広場があります。

※2020年8月撮影

北東側から。意外に松の木が大きいです。本当に久手駅とほぼ同じ造り。

※2020年8月撮影

ここまで回ると順光。

※2020年8月撮影

当然、反対側は強烈な逆光。ハレーションが抑えられません。

※2020年8月撮影

松の木で太陽をどうにか遮って撮影。

※2020年8月撮影

駅出入口。電話ボックスと郵便ポストも同じ様な位置にあります。寄棟屋根なので「JR鬼瓦」も同じく6つ付いています。目撃11駅目。

※2020年8月撮影

どアップで「JR鬼瓦」。丸いJRロゴ盤が分かります。

※2020年8月撮影

駅舎の前にこの様な案内がありました。

※2020年8月撮影

波根駅が開業した大正四年七月から1ヶ月後の八月のある日、24歳の芥川龍之介が松江出身の親友井川恭とこの停車場に降りたちました。駅近くの水月亭に宿をとり、二人は夕方の海につかって海に沈む夕陽を見て「日の終焉」の栄を楽しんだそうです。翌日は、前回写真をアップした「掛戸松島」まで散歩をして昼過ぎの汽車に乗って今市に向かったのです。

100年以上昔のことなので探しましたが水月亭は現存しない様です。芥川龍之介が「美しい」と感嘆した波根海水浴場の日本海。

※2020年8月撮影

東側。半島は山地になっています。波根の漁港が見えます。左の立神島、偉容が眼を惹きます(というか不思議な形の島です)。山の中を山陰本線は「醒水山トンネル」で抜けてゆき海しか見えない田儀駅に至ります。

※2020年8月撮影

※鉄道の撮影は鉄道会社、鉄道利用者、関係者などのご厚意で撮らせていただいています。撮影は何よりも安全が最優先。あくまでも業務・利用の邪魔にならないように、そしていつも感謝の気持ちを持って撮影しています。

(写真・文章/住田至朗)