2020年のコンテストで、最優秀賞の国交省鉄道局長賞を受賞した東京都の鈴木啓公さんの作品「ひとつだけ」

自分で撮影した鉄道写真に、自作の詩を添えるーー。それが新しい鉄道の楽しみ方「鉄道写真詩」だ。

全国の地方鉄道の再生や利用促進に取り組む、東京の一般社団法人・交通環境整備ネットワークは、「鉄道写真詩コンテスト2021」の作品を募集している。今回が5回目で、締め切りは2021年9月30日。

鉄道の利用促進につながる取り組みとして、鉄道写真撮影と詩作を組み合わせたコンテストを発想した。俳句や短歌の会は、特定のテーマ(兼題)で創作するのが一般的で、最近はテレビのバラエティー番組でもおなじみ。それを、鉄道の世界に応用。兼題の写真も自分で撮影するのが、鉄道写真詩コンテストだ。

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創作のポイントについて、審査員を務める詩人・社会学者の水無田気流さんは「鉄道写真詩は写真だけ、詩だけで表せない相乗効果を持つ表現方法。写真を説明するのでなく、写っていない部分に思いをはせて詩作するのがベター」、鉄道写真家の米屋こうじさんも「写真詩の写真は、必ずしもきれいに写す必要はない。一部が切れた構図の方が、発想が膨らむ場合もある」とアドバイスする。

コンテストで募集するのは、自分が撮影した鉄道写真に自作の詩を添えた未発表作品(1人3点まで)。詩は自由詩、散文詩を問わない(1行詩から20行以内)。コンテストには交通新聞社(旅の手帖)、鉄道博物館、東武博物館などが後援・協賛する。応募方法の詳細は、交通環境整備ネットワークのホームページに掲載。

文:上里夏生
(画像:交通環境整備ネットワーク)