※2020年12月撮影

トップ画像は紀伊宮原駅。紀勢本線でこれまで見てきた稲原駅、道成寺駅、紀伊内原駅、紀伊由良駅などと同じタイプの木造駅舎です。筆者的には、古い瓦屋根が嬉しいですね。

紀伊宮原駅には和歌山県道164号に沿った広い駅前広場があります。駅前広場の東側は駐車場、西側は広大な駐輪場。駅前を真っ直ぐ南に進むと約100mで国道480号線に当たります。その南側には有田川が流れています。紀勢本線も次の箕島駅からは、方向を北に変えて和歌山駅に向かいます。

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駅の周囲は和歌山を代表する有田みかんの産地です。江戸時代からこの地のミカンは江戸に運ばれていました。

※2020年12月撮影

紀伊宮原駅は、1925年(大正14年)12月、国有鉄道紀勢西線が簑島駅から延伸された際の終着駅として開業。翌1926年(大正15年)藤並駅まで延伸され途中駅になりました。1959年(昭和34年)全通して紀勢西線は紀勢本線になります。1987年(昭和62年)国鉄分割民営化でJR西日本に承継されました。時期は不明ですが業務委託駅になりました。2021年(令和3年)6月以降、終日無人駅になっています。

駅舎西側。こちら側に駅のトイレがあります。駅舎側横は単式の下り1番線ホーム。上りの島式ホームには東側の構内跨線橋で渡ります。島式ホームは内側の2番線の線路が撤去されフェンスになっています。つまり北側の3番線が使用される変則的な相対式ホームの駅です。筆者が駅を訪れた時は、まだ2番線の表示が残っていました。

※2020年12月撮影

東側。出入口の両側に清涼飲料水の自動販売機。さらに逓信省コンビの間に真冬ですがアイスクリームの自動販売機があります。流石に寒いので食指は動きません。(笑)

出入口には建物財産標がありました。記載は「大正15年9月」、駅開業の半年以上後に竣工したのでしょうか。

※2020年12月撮影

駅出入口。奥の改札口にはICカードICOCAの簡易改札機。待合室はあまり広くはありません。東側の壁際にベンチがあって北側には本棚が置いてありました。筆者が訪問した2020年12月、営業時間7:00~10:00の窓口はシャッターが下りていました。上にも書いた様に2021年6月以降は無人駅になっています。

※2020年12月撮影

※鉄道の撮影は鉄道会社、鉄道利用者、関係者などのご厚意で撮らせていただいています。撮影は何よりも安全が最優先。あくまでも業務・利用の邪魔にならないように、そしていつも感謝の気持ちを持って撮影しています。

(写真・文章/住田至朗)