銚電観音―本銚子間を行くキハ17「自然科学列車銚子海岸号」(写真:銚子電鉄)

10月14日は「鉄道の日」。2021年も前年に続きコロナ禍で多くの催しが中止される中、地域レベルではJRと地方鉄道が手を組んで誘客する、こんな事例も――。

千葉県の銚子電気鉄道(銚電)はJR東日本千葉支社と共同で、2021年10月16日から「きらっせ!銚子キャンペーン~やっぱりいいね!列車の旅~」をスタートさせた。駅施設を一部共用する銚電とJR総武線銚子駅の駅社員が「鉄道の日」をきっかけに知恵を集めて誘客策を考案した。

JRの駅ショップ・NewDaysキヨスク(首都圏のほか長野、新潟、東北エリアも)で発売する銚電オリジナルの「銚子電鉄のぬれ煎餅 赤の濃い口5枚入り特別企画品」の商品の一定数に、銚電の招待乗車券と入場券を封入し、銚子訪問のきっかけをつくる。「東京や千葉から銚子へはJRで!外川や犬吠といった銚子市内の散策は銚電で!」と、鉄道利用の銚子紀行に誘う。

銚電とJRが共演する「きらっせ!銚子キャンペーン」ポスター(画像:JR東日本、銚子電鉄)

秀逸なのはポスターのデザイン。1枚の写真に収まった、銚電の竹本勝紀社長が「電車屋なのに自転車操業(涙)」と、おなじみの自虐フレースでアピールすれば、JR銚子駅の吉田智一駅長は「自然が美しい 魚が美味しい 幸せな街」と街の魅力を売り込む。

タイトルの「きらっせ(来らっせ)!」は、千葉の方言で「おいで、いらっしゃい」の意。さらに、招待乗車券・入場券をJR銚子駅か銚電犬吠駅の窓口で提示すると、特製カードを進呈。カードには60年前の1961年5月、国鉄総武線から銚電に乗り入れたキハ17形気動車の写真をプリントした。

記事:上里夏生