現在は閑散路線の駅になっています【木造駅舎カタログ】中央本線08/235 川岸駅

2022.08.05

※2021年09月撮影

トップ画像は、中央本線川岸駅。中央本線はこの部分で複雑な線形になっています。

以下、国土地理院の地図を使って説明します。

※国土地理院地図に加筆

中央本線は、諏訪湖の北側を通って岡谷駅(赤丸付)から辰野駅(赤丸付)までいったん南下し、そこから北上して塩尻駅までの約28kmを走っていました。今回の木造駅舎川岸駅(赤丸付)はこの部分にあります。現在岡谷駅から辰野駅を経て塩尻駅までの区間は中央本線辰野支線と呼ばれています。

1983年(昭和58年)に全長5,994mの塩嶺(えんれい)トンネル(青矢印)が開通して岡谷駅から塩尻駅まで約12kmという従来の半分以下の短絡線が複線で完成します。これによって特急「あずさ」で新宿駅~松本駅間が約20分、時間短縮されました。

現在の辰野支線が開業した1906年(明治39年)当時、大断層を横切る急勾配の塩嶺トンネルを掘ることは技術的に困難でした。また、蒸気機関車がトンネル内の勾配を登り続けることで乗務員の窒息事故の危険も大きかったのです。

現在、辰野支線の岡谷駅~辰野駅間は飯田線と一体化して運行されています。辰野駅から塩尻駅に向かうのは1両編成の電車、昼間の時間帯は運行本数が少ない閑散路線になっています。塩尻駅から辰野駅方面も朝夕の通学需要に対応したものになっています。

川岸駅は、長野県道14号線沿い。駅の向こう、西側に天竜川が流れています。その川岸ということでしょうか。さらに西側には1000m級の山々が続き、その先には野麦峠、そして乗鞍岳(3026m)を越えれば飛騨高山です。

※2021年09月撮影

川岸駅は、1923年(大正12年)鉄道省中央本線の新駅として開業。1963年(昭和38年)貨物取扱廃止。1984年(昭和59年)駅員無配置駅(簡易委託化)になります。1987年(昭和62年)国鉄分割民営化でJR東日本が承継。時期は未詳ですが駅は無人化されています。駅舎は開業時のものが使われています。

※2021年09月撮影

待合室には作り付け木製ベンチがありました。乗車券販売機はなく、乗車駅証明書発行機がありました。窓口は閉鎖されて壁になっています。島式ホームには構内跨線橋で渡りました。

※2021年09月撮影

駅出入口。丸型郵便ポストがあります。

※2021年09月撮影

出入口上の魅力的な駅名標、腰を屈めて撮りました。

※2021年09月撮影

駅前広場の北側に巨大な「川岸駅開通記念碑」があります。中央本線がこの地に開通した1909年(明治42年)に駅は作られませんでした。地元の方々がお金を集め請願運動をした結果、1923年(大正12年)に駅が開業した記念です。

※2021年09月撮影

※鉄道の撮影は鉄道会社、鉄道利用者、関係者などのご厚意で撮らせていただいています。撮影は何よりも安全が最優先。あくまでも業務・利用の邪魔にならないように、そしていつも感謝の気持ちを持って撮影しています。

(写真・文章/住田至朗)


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