コロナ禍の落ち着きを受け、前年の実開催とオンラインの併用から2021年は実開催に絞った「Japan IT Week秋」会場風景

国内最大級のICT(情報通信技術)の総合展「Japan IT Week秋」が2021年10月27日から3日間、千葉市の幕張メッセで開かれ、国内外の約400社が出展した。迎えて12回目で、併催の「通信・放送Week2021」もあわせ、鉄道業界への採用を意識した出展者が目立った。

「AI・業務自動化展」「クラウド業務改革EXPO」「IoT&5Gソリューション展」「情報セキュリティEXPO」をはじめ、12件の展示・商談会をIT Weekと総称する。

NTTグループのNTTレゾナントは、スマートフォンやパソコンでAI(人工知能)と会話しながら好みの商品を紹介する、チャットボッドのサービスを提供する。「おすすめの旅はありますか?」「温泉はいかがでしょうか」「温泉に入れて旬の味を楽しめるツアーを紹介して」といった具合に、旅行の行き先をアドバイスする。

ADVERTISEMENT

鉄道業界では、問い合わせ対応での導入例があるが、NTTレゾナントが目指すのは営業ツールとしての活用。チャットボットをキャラクター化することで、友達と会話するような気軽さで旅行目的地を選んでもらう。

音声データからの文字起こしも、AIによる技術開発が相次ぐ。東京に本社を置くRimo(リモ=企業名)のシステムは、1時間程度の音声データなら、5分間前後で文字変換できる。鉄道業界向けでは、聴覚障がい者などを意識したバリアフリー化ツールとしての需要に期待する。

次世代通信規格の普及に力を入れる通信系建設会社のミライトは、5Gが変える未来を提示した。鉄道分野では、トンネル内壁の自動計測システムを発信。ミライトはドローンも得意分野で、小型無人機の計測データを5Gで送受信して解析するといった、活用法を提案する。

記事:上里夏生