扇形の階段など空間的な広がりを感じさせる東急南町田グラベリーパーク駅(画像:土木学会)

鉄道会社による街づくりの最近の成功例として話題を呼ぶ東急グループの「南町田グランベリーパーク」が、プロの眼でも評価を受けた。土木学会の「デザイン賞2021」の表彰セレモニーが2022年1月22日にオンライン開催され、東急南町田グランベリーパーク駅と周辺のパークが優秀賞を受けた。

表彰を受けたのは、東急電鉄と親会社の東急、それに地元自治体の東京都町田市。南町田グランベリーパークは、駅南側に広がる東急グループと町田市の再開発エリア。東京ドーム5個分以上に当たる約22ヘクタールの広大なエリアに、鉄道駅と商業施設、都市型公園が広がる。

空からみた南町田グランベリーパーク全景。画像の上部を左右に横断するのが東急田園都市線で、中央が南町田グランベリーパーク駅。駅南側には東急の商業施設、その南側に戸建て住宅がつらなる(画像:土木学会)

東急グループと町田市は2013年5月の基盤整備から事業に着手。田園都市線の南町田駅は全面リニューアルされ、2019年10月に公園名を冠した新駅名に改称された。

ADVERTISEMENT

東急や町田市がめざしたのは、鉄道駅や駅前スペースの魅力を見直す中での地域の持続的成長。〝すべてが公園のような街〟を全体コンセプトに、「歩いて楽しいグランベリーパーク」を実現した。

表彰セレモニーに続く発表会では、審査委員を務めた熊本大学くまもと水循環・減災研究教育センターの星野裕司准教授が、「駅を降りてグランベリーパークに一歩踏み出したとたん、親子連れの笑顔やベンチに座って友人との会話を楽しむ若者の眼の輝きに、東急が目標とする『パークライフ』を実感できた」と現地訪問の感想を述べた。

土木学会の「デザイン賞」は2001年に制定され、東急電鉄は3年前の奨励賞を戸越銀座駅で受賞している。

記事:上里夏生