1982年の東北新幹線開業以前、上野から東北方面に向かう列車の花形は485系特急電車でした。485系を使用していた上野発の東北方面の列車は、青森行「はつかり」、盛岡行「やまびこ」、仙台行「ひばり」、秋田行「つばさ」、山形行「やまばと」、会津若松行「あいづ」、常磐線方面「ひたち」、秋田行(羽越本線経由)「いなほ」など、多くの列車が設定されていました。

上信越方面の列車も含め、上野駅の地上ホームおよび地平ホームにはひっきりなしに特急列車が発着し、常に賑わっていました。

こちらは羽越本線経由で秋田まで運転していた「いなほ」です。非貫通型の先頭車を連結しています。

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つぎに、上野-仙台間を結ぶ「ひばり」です。屋根上の前照灯が2灯化されている1500番台の車両です。1500番台は、当初北海道向けの車両として製造されましたが、のちに北海道専用設計の781系に道を譲り、東北方面で長く活躍しました。

さらに、初期型のボンネット型の車両も運用されていました。こちらの「あいづ」では、まだイラスト入りのヘッドマークになっていなかったようです。ボンネット型の車両はヘッドマークが幕式ではないため、作業員が手で取り換える光景も見られました。

上野駅を賑わせていた485系も、東北新幹線の延伸に伴い徐々に数を減らしてゆきました。様々な方面に高頻度に発着する特急列車は圧巻で、いまでも上野駅の地平ホームに降り立つとそのころの光景がよみがえります。

※各写真は一回の旅行で撮影しているわけではなく、複数回にわたるものを編集しています。

記事:芝圭太