2025年大阪・関西万博は、次世代の子どもたちが、「近未来はこういう社会になるんだ」「こんな近未来で活躍するには、なにを学ぶべきか」を想像する場に、そして「人間でなければできないこと」も突き詰めて考えていく場にもなればいい。

そう語るのは、若宮健嗣 国際博覧会担当大臣・デジタル田園都市国家構想担当大臣・共生社会担当大臣・内閣府特命担当(消費者および食品安全、クールジャパン戦略、知的財産戦略)大臣。

「大阪・関西万博2025で見えてくる社会の未来予想図 フォーラム」が東京で2月15日に開催され、若宮健嗣 国際博覧会担当大臣をはじめ、同万博People’s Living Labクリエイター齋藤精一パノラマティクス主宰、ウォンテッドリー仲暁子 代表取締役CEO、C Channel 森川亮 代表取締役社長らが登壇した。

2025年日本国際博覧会(略称「大阪・関西万博」)とは

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まず、2025年日本国際博覧会(略称「大阪・関西万博」)の紹介から。

会場 は大阪市臨海部・夢洲(ゆめしま)、開催期間 は2025年4月13日~10月13日の184日間。

テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン(Designing Future Society for Our Lives)」、サブテーマは「Saving Lives(いのちを救う)」「Empowering Lives(いのちに力を与える)」「Connecting Lives(いのちをつなぐ)」。

コンセプトは「People’s Living Lab(未来社会の実験場)」。

万博開催の意義「新しいことにチャレンジしていく場」

今回の「大阪・関西万博2025で見えてくる社会の未来予想図 フォーラム」で、若宮健嗣 国際博覧会担当大臣は冒頭、「万博開催の意義」についてこう語った。

「会場を実際に訪れるというリアルな体験に加えて、デジタル技術を活用して世界中から多くの方々の参加を可能とするなど、リアルとバーチャルを融合させた新しい万博の姿を打ち出していきたい」

「大阪・関西万博のコンセプトは『未来社会の実験場』です。多くの皆様にご参画いただき、新しいアイデアや最先端技術に、規制改革やデジタル化などを組み合わせながら、新しいことにチャレンジしていく場としたい」

また、同万博People’s Living Labクリエイター齋藤精一氏は「この万博が、日本産業がこれから伸びていく大きなきっかけにしていきます」と語り、こう続けた。

「少子高齢化など色んな問題を抱えている課題先進国だからこそ、世界に先駆けて解決方法をデザインの力で見出していく必要があります。実際に、会場、さらには日本全国で体験していただいたものを各国に持って帰っていただくことが、今回の大阪・関西万博の大きな開催意義だと思います」

アクションプラン―――空飛ぶクルマの体験や、自動配送ロボットも

また、内閣官房 国際博覧会推進本部事務局は2021年12月に、「未来社会の実験場」の具体化に向けた「2025年大阪・関西万博アクションプラン」を発表。

同プランには、モビリティ・エネルギー・環境・デジタル・健康・医療・観光・食・文化・科学技術の分野別に策定。なかでもモビリティ分野について若宮健嗣 大臣はこう語る。

「最先端のモビリティ技術を会場の内外で実証・導⼊し、『空飛ぶクルマ』などの来場者への新たな移動体験の提供や、『自動配送ロボット』を通じてロボットが社会を変革していく姿を示したりすることをめざす」

また、空飛ぶクルマと同じく注目を集めるドローンの今後については、「機能面だけ優れているだけではなく、その機能を駆使してどんな不便を解消できるかなど生活面など実情に沿った課題解決ができるかが重要」とも。

「日本中の課題をどう解決できるか、新しい未来がどうあるべきなのかを日本全体で考え、いっしょになって世界で羽ばたくことができるショーケースにしたい」

「この大阪・関西万博アクションプランは、皆様の声を反映させながら、半年ごとにアップデートしていくようにしたい」

個人・政府・中小企業、さまざまな人・団体が参画できる場に

さらに、同万博People’s Living Labクリエイター齋藤精一氏は「万博は見に行くものではなく、『自分からいっしょにつくり上げるもの』という意識変革が起きたらいいなと思います。個人、政府、中小企業も巻き込んでいろんなかたちで参画ができるよう、開催地から大きなうねりをつくっていけたら」と語ると、若宮健嗣 大臣はこう続けた。

「世界各国が展示するものには未来に繋がるストーリーがあります。前回の大阪万博で月の石を見て宇宙や宇宙飛行士に憧れた子どもが多かったように、2025年大阪・関西万博で刺激を受けて、それが子供たちの将来の生き方の指針になるようなものにつながれば」

「万博を通じて、人間でなければできない、心と心の結びつきを新たに突き詰めていく機会にもしたい」

―――「大阪・関西万博2025で見えてくる社会の未来予想図 フォーラム」ではこのほか、ウォンテッドリー仲暁子 代表取締役CEO、C Channel 森川亮 代表取締役社長による「万博がもたらす新たな日本産業の在り方」トークも開催。

「万博は未来を提示する場。イノベーションが加速していく場」「今回の万博では、人がテクノロジーをどう使うのかという、日本の意志が見える」といった期待を語っていた。

◆2025年大阪・関西万博
https://www.expo2025.or.jp/