相鉄弥生台駅 日中の様子(画像:相模鉄道)

長く厳しかった冬がようやく終わりを告げ、春が目の前までやってきた。鉄道各社からも、桜や花見のニュースが相次いで発信されている。

サクラを名乗る鉄道駅が、京成本線の京成佐倉駅。京成電鉄と千葉県佐倉市は今春、佐倉を「桜」と読み替えて地元への誘客をめざす観光キャンペーン「桜に染まるまち、佐倉2022」を共同展開する。期間は桜の開花にあわせて3月19日~4月10日。

佐倉市内を代表するお花見スポットが佐倉城址公園で、近隣には多くの歴史的建造物が点在する。鉄道がらみの話題では期間中、京成佐倉駅の「佐倉」の表記を「桜」のデザインに。駅から城址公園までの道のりを桜に染める〝桜ロード〟などで、「桜のまち」を演出する。

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京成は、「京成〝桜〟駅記念乗車券」を2022年3月19日から地元京成佐倉駅のほか、主要20駅で発売。1部500円で3000部。キャンペーン期間中、地元の協力店舗で記念乗車券を提示すると、商品割引などの特典も。

「京成〝桜〟駅記念乗車券」の裏表デザイン(画像:京成電鉄)

相模鉄道は2022年3月12日から、いずみ野線弥生台駅の桜のライトアップを始める。同駅付近のいずみ野線は、切通し(切り取り)区間を線路が走り、両脇の斜面に41本にソメイヨシノが植えられる。夜桜ライトアップは2015年にスタートしたもので、今年は4月10日までの予定。

ライトアップされた相鉄弥生台駅のソメイヨシノ(画像:相模鉄道)

相鉄沿線では、「よこはま動物園ズーラシア」(最寄り駅の鶴ヶ峰からバス)、「こども自然公園」(南万騎が原から徒歩)などが花見の名所として知られる。

沿線に2カ所の花見スポットがあるのが、岐阜県の第三セクター・樽見鉄道。一つ目は終点の樽見駅が最寄りの薄墨桜。樹齢1400年といわれ、開花時期には10万人以上の人出がある。もう一つの名所が谷汲山華厳寺。名鉄谷汲線が健在の時は、名古屋・岐阜方面からの移動で名鉄線が利用できたが、2001年に廃止されてからは、樽見鉄道谷汲口駅や養老鉄道揖斐駅からバス乗り換えがアクセス手段となった。

樽見鉄道は〝桜ダイヤ〟と称する特別ダイヤを編成。臨時便を運転するほか、JR東海道線と接続する大垣駅には臨時売店が出店される。谷汲口駅は駅自体が桜に囲まれており、桜の下を走る列車が撮影できる。

桜の駅として名高い樽見鉄道谷汲口駅付近(画像:本巣市観光協会)

記事:上里夏生