※2022年3月撮影

トップ画像、JR東海飯田線桜町駅。飯田線もいよいよ最後の木造駅舎撮影です。

飯田線は、元は、直結していましたが民鉄4社が個別に敷いた線路を国有化した路線です。それ故に全長195.7kmに起終点を含めて94もの駅が並んでいます。しかも戦前の地方鉄道故の簡易な規格で建設されたことで急勾配、急カーブも多く、豊橋駅から辰野駅まで普通電車はノンビリと約6時間かけて走ります。

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例えば豊橋駅午前6時発の電車に乗ると辰野駅には11時46分着。表定速度は、ほぼ34km/h。一方、中国山地の山間部を極端にゆっくり走る印象の芸備線、新見駅を5時17分に乗って三次駅に8時8分到着。96.7kmに2時間51分ですから表定速度は、何と同じほぼ34km/hなのです。筆者の個人的な印象ですが、飯田線と芸備線が最もゆっくり走るJR地方路線だと思います。

飯田線と直角に交差する長野県道15号線(伊那街道)から桜町駅。駅前は少し広くなっています。何か立札がたっています。(黄色矢印)

※2022年3月撮影

近づいてみると「水準点 国土交通省 国土地理院 関東地方測量部」と書かれています。水準点は、正にbenchmark。測量の際に標高の基準とまる点です。全国に86ヵ所設定されています。それが桜町駅舎の横にあるんですねぇ。立札を初めて見ました。

※2022年3月撮影

水準点の前から伊那街道の南側を見ると商店街の皆さんが前日終わった「7年に一度の飯田お練り祭」の後片付けをしていました。

※2022年3月撮影

もう一度水準点の前の写真の続きに戻ります。桜町駅は、東西にはしる飯田線の南側にあります。

※2022年3月撮影

桜町駅舎は、1947年(昭和22年)4月の飯田大火、実に飯田市中心部の7割が焼失した大火事で焼け落ち、その後再建されたものです。

※2022年3月撮影

駅舎の建物資産標には「鉄 03-6001 S.22.12」と記載されていました。

※2022年3月撮影

桜町駅は、1923年(大正12年)伊那電気鉄道が開設。国有化で飯田線の所属駅になり1987年(昭和62年)国鉄分割民営化でJR東海に継承されました。

※2022年3月撮影

伊那街道の踏切から桜町駅。

※2022年3月撮影

飯田線の反対側から木造駅舎。広い待合室。無人駅です。

※2022年3月撮影

駅名標も見えます。

※2022年3月撮影

ホーム上屋全体を見ます。

※2022年3月撮影

前々日に臨時急行「飯田線秘境駅号」で、新城駅、東栄駅、小和田駅の木造駅舎を見ました。その後に撮ったモノを合わせて飯田線の木造駅舎22駅(鉄筋コンクリート駅もひと駅ありましたが)を見てきました。

明日からは、通常進行の【木造駅舎カタログ】に戻ります。

※駅などについては『JR全線全駅』(弘済出版社/1997)、『週刊朝日百科 JR全駅・全車両基地01-60』(朝日新聞出版/2012-2013)『長野県鉄道全駅 増補改訂版』(信濃毎日新聞社/2011)他を参照しています。

※鉄道撮影は鉄道会社、鉄道利用者、関係者などのご厚意で撮らせていただいているものです。鉄道を撮影する時は感謝の気持ちを伝えましょう。ありがとうございます。

(写真・文章/住田至朗)