日本旅行大阪法人営業統括部は、三陸鉄道の全駅に停車する「”超”普通列車で行く三陸鉄道全駅探訪の旅」を発売する。出発日は2022年6月25日(土)、盛―久慈駅間 163キロを1泊2日で走破する。

「”超”普通列車」は参加者が魅力的な途中駅を堪能できるよう、各駅での停車時間に余裕を持たせたツアー商品だ。今回の三陸鉄道版では、ほとんどの駅で3分以上、中には10分以上停車する駅も設定し、宮古では撮影会も開催する。また旧JR山田線区間では乗客係の乗務員が沿線を案内する。旅の始まりを盛 13:30発、終着を久慈 14:45着とすることで、遠方からも参加しやすい旅程を組んだ。

三陸鉄道路線図と行程表。停車時間が3分未満になるのは織笠、陸中山田、豊間根、払川の4駅のみ。より大きい画像は日本旅行大阪法人営業統括部「鉄道・バス企画デスクツアー」(Web)のパンフレットで確認できる。

“超”普通列車(単行運転)に充当されるのは、クロスシート席の定員が多い36-700形(1日目)、36-105号車(2日目)。プランも1名1席利用の基本プラン、1名2席利用の2席占有プラン、1名1ボックス利用の1ボックス占有プランをそれぞれ用意した。旅行代金は28,000円~40,500円。

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2022年5月12日(木)15時より、「日本旅行大阪法人営業統括部鉄道・バス企画デスク」専用のツアー予約サイトで申込を受け付ける。

「”超”普通列車ツアー」はコアな乗り鉄に響く?

日本旅行の企画する「”超”普通列車」ツアーは過去に大井川鐵道で実施されており、今月21~22日には井川線で2回目を実施する。日本旅行に確認したところ、客層の幅が広い夜行列車企画や運転体験企画と比べて予約推移は緩やかなものの、コアな乗り鉄に響く企画になっているという。

「降りてみたいなあと思いつつ通過していた駅に実際に降り立つことができるのは、貴重な体験となっているようです。1回目の大鉄企画にご都合でご参加できなかったお客様から、次は絶対参加したいから企画したら絶対教えてほしい、とお電話をいただいたケースもありました。お客様のツアーに対する思い入れは熱いものを感じます」(日本旅行)

思い当たる節もある。たとえば「青春18きっぷ」などを使って長距離移動していると、「この駅で降りてみたい」という好奇心を抱くことも少なくない。しかし「駅を見ている間に出発してしまうかも」といった不安、「ちょっと駅の周りを見て歩くだけなのに、次の列車まで何時間も待つことになる」といった余裕のなさから降りるのをためらい、駅名標すら撮らずに見送ってしまうことも多い。「”超”普通列車」は、長距離移動にもどかしい気持ちを抱く乗り鉄にウケているのではないだろうか。

第三弾で三陸鉄道を選んだ理由については、次のような回答をいただいた。三陸鉄道 盛―久慈駅間は日本の第三セクターの路線としては最長、降りてみたい魅力的な途中駅がたくさんあるものの、運転本数は多くない。また「山田線の移管を受け一本につながった新たな三陸鉄道と、沿線の復興を紹介したい」という気持ちもあり、「”超”普通列車」を走らせてみたいと考えたという。

三陸鉄道には太平洋が一望できる堀内駅や、ホームに幸せの鐘が設置された恋し浜駅(ホタテでも有名!)など、魅力的な途中駅が多数存在する。乗り通すだけの旅とはまた異なる、一つ一つの駅をしっかりと味わう旅、そして復興を遂げた三陸鉄道沿線の「今」を見る旅になりそうだ。

※画像はいずれも三陸鉄道提供