1961(昭和36)年、「く」の字を描く仙台駅とその前後をショートカットするように貨物線で結び、そこに客貨分離で開業したのが、仙台貨物ターミナル。

実はこの仙台貨物ターミナル駅、今後起こりうる大規模災害に効果的に対応すべく、この土地 敷地約18haを宮城県が取得し、広域防災拠点の機能をもつ都市公園を整備する計画がすすめられている。

仙台貨物ターミナル駅の移転先は、ここから約5km青森方にある仙台総合鉄道部の北側、東北線 東仙台~岩切の間。2026年度末までの完成をめざして工事がすすんでいる。

新 仙台貨物ターミナル駅は着発線荷役方式(E&S方式)を採用

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新設中の仙台貨物ターミナル駅は、列車からコンテナの積卸しを行うコンテナホーム3面、列車が着発する着発線8線、留置線4線、貨車を検査・修繕する貨車検修庫・検修線5線を置く計画。

また、計画地北側に貨物駅の営業に必要となるトラック駐車場や建物を計画。建物は、3階建て総合事務所、鉄道貨物を扱う倉庫、荷捌きを行う貨物上家なども置く。

東京方には仙台総合鉄道部があり、この仙台総合鉄道部と新貨物ターミナル駅の間には、高架を行く国道4号バイパスがあるため、バイパスの下に線路を通すべく国道4号に函渠を設置中。

さらに、新たな仙台貨物ターミナルは、着発線荷役方式(E&S方式)を採用し、リードタイムの大幅短縮とコスト削減を見込む。

着発線荷役方式(E&S方式)は、コンテナを本線上の列車から積卸しする荷役スタイルで、列車の着発線上に荷役ホームを設置し、列車が駅に到着してすぐにコンテナの積み卸し作業ができるというメリットをもつ。

これまでの貨物駅では、貨物列車到着後、機関車で架線のない荷役線までけん引するなどの入れ換え作業で、時間がかかっていた。

そこを着発線荷役方式(E&S方式)採用することで、列車の着発線上に荷役ホームで直接に荷役するように構造を変え、リードタイムの大幅短縮とコスト削減が実現する。

着発線荷役方式では、コンテナ荷役作業などのさい、架線との接触事故などを防ぐべく架線の送電を止めて行うことから、架線下荷役とも呼ばれている。