【私鉄に乗ろう 71】伊予鉄道 郊外電車 高浜線 その3(20)

山西から1.0kmで三津駅。古町、松山市とともに四国で最初に開設された駅。1888年(明治21年)の開業。

夏目漱石の『坊ちゃん』が三津浜港に着いて宿屋に引っ張って行かれるのですが、断って就職した中学校に向かう時に「乗り込んでみるとマッチ箱のような汽車だ。」と言うのが、この駅から乗った当時の汽車ですね。

左の単式ホームは通常は使われません。立派な島式ホームが使われています。三代目駅舎を撮影できませんでした。

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駅名標。東に5-600mで予讃線の三津浜駅があります。下車して散歩したかったな。

三津を出ると真っ直ぐですが左側には坊ちゃんが降り立った三津浜港があります。

三津浜港を過ぎると山の向こう側をグルリと廻ります。左にカーブ。

延々と左カーブが続きます。地図で見ても90度近く北上していた線路が西向きになるまでカーブします。

カーブが終わると、三津から1.0kmの港山駅。

島式ホームです。周囲は住宅街ですが、人の気配が希薄で良いです。

駅名標。1898年(明治31年)貨物駅として開業しています。1907年(明治40年)にいったん廃止されましたが、1931年(昭和6年)に旅客駅として開業しています。2015年までは有人駅だったというのが、ちょっとビックリ。

上り電車が来ました。

中学入学時に旺文社の中一時代を年間予約したら筺入り旺文社文庫特製本の『坊ちゃん』をくれました。これが最初に読んだ『坊ちゃん』でした。何と旧カナ。その時から半世紀が経っていますが、未だに謎なのは、漱石先生が作中で何故道後温泉を”住田”の温泉と呼んだのか、です。漱石先生が実際に松山中学校に赴任した時の校長が住田さんだったのですが。筆者の名字が住田なので中学1年生は悩んだのでした。

【私鉄に乗ろう 71】伊予鉄道 郊外電車 高浜線 その4(21) に続きます。

(写真・記事/住田至朗)