地元中学生らが05系を運転、車掌業務も体験 東京メトロの総合研修訓練センターで初の試み
2022年11月6日、新木場にある東京メトロの「総合研修訓練センター」で中学生向けの「鉄道業務体験学習会」が行われました。
参加したのは地元・江東区立辰巳中学校の生徒3名。午前中は施設概要や乗務員業務について学び、午後は約320メートルの運転実習線で05系車両の運転や車掌業務を体験。その表情はみな真剣そのもので、運転も初めてとは思えないほどスムーズでした。
総合研修訓練センターは2016年4月に開所。「メトロで起きうる全てのことはここで起こせる」をテーマに、地上5階建ての研修棟や3つの模擬駅、営業線に準じた訓練線などを備え、東京メトログループの社員が日々研修と訓練を重ねています。広報部に確認したところ、2020年度実績では年間で延べ約29,000人が使用しているそうです。
同施設で実物の車両を用いた運転体験を実施するのは今回が初めて。普段は入れない場所で、しかも現役の車両を動かすわけですから、鉄道ファン目線に立てば大変貴重な体験と言えます。
企画を担当した東京メトロサステナビリティ推進部 社会・CSR担当の井本嵩課長補佐によれば、この体験学習会は「地域・社会の次世代育成」を目的として行ったものだそうです。鉄道の安全・安心を維持する技術やシステムについて学習し「将来のことを考えるきっかけにしていただければ」ということで、最寄りの辰巳中学校と連携、実現に至りました。
企画実施にあたり苦労したのはスケジュール調整。本来は社員向けの施設ですから、研修等に影響を与えないようにする必要があるうえ、コロナ禍の影響で半年ほど延期されることに。このような企画を広げていきたい思いはあるそうですが、そうした事情もあり今後の実施予定は未定とのことです。
記事:一橋正浩