JR四国(本社:香川県高松市)は2023年2月12日から乗務員用スマートフォンを導入します。

現在同社では緊急時の連絡体制を確保するため、車掌と運転士が業務用携帯電話を所持しています。スマートフォンの導入は、この連絡体制の確保に加え、安全性・サービス向上・乗務員の働きやすさ向上を目的としたものです。

鉄道ファン向けの注目ポイントは、新たに導入される「車内補充券発行機機能アプリ」でしょうか。JR四国では現在、列車内できっぷを販売する際に車内補充券発行機を使用していますが、これをスマートフォンのアプリで代替できるようにします。

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きっぷの発券方法についてJR四国に確認したところ、車掌が車内補充券発行機を所持する必要はなくなるものの、スマートフォンとともに簡易なプリンターを所持する必要があるということです。将来的にきっぷも含めた電子化が行われるかどうかは現時点では分かりませんが、どうやら今すぐ紙の車内補充券がなくなるというわけではなさそうです。

※車内補充券発行機能は4月1日から。

スマートフォン導入によるサービス向上の例としては、ほかにも……

・乗り換えなどの問い合わせに迅速に対応
・翻訳アプリによる外国人利用者へのサービス向上

が挙げられており、安全運行の面では、

・運転士がスマートフォンを運転席に設置し、防災情報の取得や徐行地点の注意喚起等の運転支援を行うことで安全性の向上を図る
・業務に関する規定やマニュアルなどを電子化し、検索機能などを活用した対応力の向上およびペーパーレス化を図る
・異常時における写真データなどの情報共有による運転再開の迅速化

といった意図があるといいます。運転支援機能については秋頃からの導入となる見込みです。

(写真:JR四国)