「こんなもの見たことない。どこまで入り込んでいいかわからなくなってくる。これが仏教でいう無常だ」

―――世界遺産 真言宗総本山 教王護国寺 東寺、世界遺産 真言宗御室派総本山 仁和寺の人たちをそう唸らせたのが、江戸絵画絵師 SETSUO KANO の世界。

国内を拠点に水性マジックペンのみを使い、自身の哲学「無常」の世界を現代に表現し、五感を超えた感性と魂を下絵なしで一気に描きあげる彼の世界が、いま注目を集めている。

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SETSUO KANO 絵師が描く作品が2022年、世界遺産 真言宗総本山 教王護国寺 東寺、世界遺産 真言宗御室派総本山 仁和寺、真宗大谷派 東本願寺で展示され、この SETSUO KANO 個展に訪れた人が2万人を突破したのは記憶に新しい。

いま注目されるこの SETSUO KANO の世界が、ことし2023年にさらに進化。SETSUO KANO が再び仁和寺・東寺とタッグを組み、日本の文化・工芸の正当な発展と啓発という共通の志のもと、ギャラリーを展開する。

画像↑↑↑は仁和寺でことし2023年に公開する予定の作品たち。今回、メディアに特別にプレビューしてくれた。

SETSUO KANO 作品と対峙し、なかには涙を流す高校生も

江戸絵画絵師 SETSUO KANO は、2020年から日本を拠点に水性マジックインクのみを使い、自身の哲学である「無常」を創作意義として、五感を超えた感性と魂を描く表現者。

観る人の想いのままに感じてもらうことを大事に作品はすべて無題。江戸絵画の世界的蒐集家として本物を見極める観察眼と美意識、美学をあわせ持つ絵師として注目を集めている。

2022年、仁和寺・東寺・東本願寺で2万人以上が体感した SETSUO KANO の個展では、Z世代が多く訪れ「なかには涙を流す高校生も複数いた」(個展担当者)という。

仁和寺や東寺が SETSUO KANO 作品を受け入れる理由とは?

そんな江戸絵画絵師 SETSUO KANO とタッグを組み、世界遺産空間でギャラリーを展開していく仁和寺・東寺の人たちは、どんな想いでいるか。

冒頭の「こんなもの見たことない。どこまで入り込んでいいかわからなくなってくる。これが仏教でいう無常だ」ということばの“行間”に、SETSUO KANO はこう読み取り、教えてくれた。

「松尾芭蕉の時代に、ごく限られた人たちの既得権益だった“仏教の美”が庶民にまで広がりをみせ、伊藤若冲や与謝蕪村といった京町屋の絵師たちが、一様性とは対極にある個人主義の世界の絵を描き始めます。

こうした京町屋の絵師たちは、町衆の美学のすべてを受け入れられるキャパシティがあったといえます。いまの日本とまったく逆のようにもみえるんですね。絵と対峙する力が個人にあった。選ぶ力があった。

その根源的なルーツのひとりが、空海だと思うんです。ぼくの絵には手前に白があり、奥に黒があります。手前の白は「四季の世界」。むこうの黒は空の世界、いわば虚空の世界。空海はこの虚空の世界を説いた人です。

そして今回、京都の仁和寺や東寺が、ことし2023年も個展をやりましょうとなるのは、あらゆるもの・ことを受け入れる力がある京都とそのまわりの関西の人たちだからこそと想います」

―――次回の SETSUO KANO 個展や出展情報の詳細は、公式インスタグラムなどで伝えるというから、気になる人はチェックしてみて↓↓↓
https://www.instagram.com/setsuo_kano/

(C)SETSUO KANO