森地実行委会長(中央)を村田茂樹(国土交通省鉄道局長)、金子慎(JR東海会長)、冨田哲郎(JR東日本会長)、原田一之(日本民営鉄道協会会長、京浜急行電鉄会長)の4副会長=写真左から=が囲むテープカット

待ち兼ねたファンも多かったはずだ。10月14日の「鉄道の日」を前に、2023年10月8~9日に東京都江東区のお台場イーストプロムナードで開催された「鉄道フェスティバル」。鉄道会社・団体中心に約70社(者)が出展。2018年以来5年ぶりで復活した「物販」コーナー目当てに、鉄道ファンや家族連れの長い列が続いた。

2023年は「鉄道の日制定30周年」。国鉄・JRグループが中心だった鉄道記念日は、1994年にオール鉄道関係者が集う「鉄道の日」に模様替えされた。

ファンやファミリーに向けた鉄道フェスは、荒天や新型コロナで2019年以降、3年連続で休止。2022年は復活したものの物販は見送られ今回、5年ぶりでフルスペックのメニューがそろった。会場は例年の東京・日比谷公園が改修で使えず、東京ビッグサイト近隣のお台場イーストプロムナードに移った。

ADVERTISEMENT

主催は「鉄道の日」実行委員会で、全国知事会などが後援。初日のオープニングセレモニーでは、実行委の森地茂会長(政策研究大学院大学名誉教授・特任教授)が、「日本の鉄道は、コロナや実用化間近の自動運転などで、大きな変革期を迎えている。変革を成し遂げるのは鉄道界だが、それを後押しするのは鉄道を愛する皆さんの力だ(大意)」とあいさつ、鉄道ファンにエールを送った。

ブランクへの不安もあったが、フェスにはJRグループと主要私鉄が軒並み参加。JR西日本は、2023年事前登録受付開始の鉄道育成ゲームアプリ「SODATETSU(ソダテツ)」を売り込んだ。

JR貨物は、グループの新規事業として取り組む植物工場野菜「きらきらベジ」をPR。今回は見送られたが、常磐線隅田川駅での自社イベントでは販売されている。

鉄道以外では、キヤノンが〝鉄道モード〟もある新型カメラを紹介。鉄道カメラマンの写真教室を開催した。

鉄道系出版社として唯一出展した交通新聞社は、2024年カレンダーを先行発売。SL、新幹線、機関車、栄光の名列車など多彩なラインナップで、ファンに〝鉄分100%〟を届ける。

東京ビッグサイトの会議棟を望む会場で開催された2023年の「鉄道フェス」
自社ブースなどを熱心に視察する金子JR東海会長

記事:上里夏生

【関連リンク】