迫力いっぱいのN700Sが来場者を迎えるJTAブース(筆者撮影)

キャラクターや映像・画像技術、CG(コンピューターグラフィクス)、ゲーム制作などの総合展「コンテンツ東京」が2024年11月20日から3日間、千葉市美浜区の幕張メッセで開かれた。主催はイベント企画・主催会社のRX Japanで、迎えて16回目。国内外の約200社が出展(ほかにアニメーターや作曲家などのクリエーター〈主に個人〉約200人も参加)、活発な商談を繰り広げた。

7月開催の東京ビッグサイトに続く2024年2回目で、前回に続いてブースを構えたのがJR東海エージェンシー(JTA)。JR東海グループでは、ブランドや商標を意味するライセンス・プロパティ事業を担当する。JR東海の推しキャラは、もちろん東海道新幹線や在来線の列車や車両。本物に乗車できるのはまだ先だが、キャラの世界ではすでに中央リニア新幹線が〝出発進行〟だ。

東海道新幹線では、日本に高速鉄道時代の訪れを告げた0系はファンの記憶に残るだけだが、キャラとしては今も現役。新幹線開業60周年の2024年、0系はあらためてスポットライトを浴びた。新幹線でもう一人のスターが、黄色い新幹線こと「ドクターイエロー」。JR東海のT4編成は2025年1月の運転終了が予告されるが、キャラの人気はまだまだ続く。

新幹線や在来線車両をあしらった商品は多種多彩。JTAのカタログには、定番の鉄道模型や鉄道DVDに始まり、食品、食器、衣類、ゲームなどが並ぶ。珍しいところでは、N700Sがモチーフの自転車用ヘルメットが商品化されている。

JTAはより多くの商品に鉄道キャラを活用してもらおうと、2024年11月にライセンシー商品化支援サービス「レントレ」をスタート。写真、動画、3Dデータといった素材を用意して市場ニーズに対応する。

JTAのコンテンツ東京参加は、前回の2024年夏に続いて2回目。ブースでは、京都での映像制作などを応援する「京都コーディネートサービス」も情報発信した。

峠の釜めしのトーマスバージョンも

このほか、鉄道キャラをコンテンツ東京で推したのがソニークリエイティブプロダクツ。ソニーのグループ企業が売り込んだのは、アニメでおなじみ「きかんしゃトーマス」だ。トーマスキャラといえば、アニメが本物になった静岡県の大井川鐵道が知られるが、最近登場したのが名物駅弁の「峠の釜めし きかんしゃトーマスver.(バージョン)」。群馬県安中市の名門・荻野屋とのコラボで、レジャーシーズンなどにあわせ期間限定で発売される。

子どもたちが喜びそうな「峠の釜めし きかんしゃトーマスver.」(c)Gullane (Thomas) Limited.(筆者撮影)

もう一社、鉄道ビジネスを支援するのが2012年創業のスタートアップ(ベンチャー)企業・ココナラ。インターネットを活用したスキルマーケティングが得意分野で、企業にクリエーターを仲介する。鉄道業界では、小田急や東急にコンテンツ制作者を紹介した実績を持つ。

記事:上里夏生