※弘南鉄道弘南線弘前駅

鉄道の絵本には必ずラッセル車がありました

子供の頃、鉄道の絵本を見ていると、必ず冬景色を切り裂いて走るラッセル車の勇姿が描かれていました。しかし筆者は雪国で暮らした経験がなく、本物のラッセル車を眼にする機会はありませんでした。

日本国内で現役の旧形ラッセル車は3両だけ

旧国鉄が1928年(昭和3年)から製造した事業用貨車キ100形が私たちが絵本で見たラッセル車です。全部で194両も作られましたが、自重が30トン以上もあって重く、徐々にディーゼル機関車にラッセル式除雪装置を付けたものや排雪モーターカーの普及によって姿を消してゆきました。1989年(平成元年)には全て廃車となってしまいました。しかし旧国鉄時代に他社に譲渡されて残った車体が4両ありました。廃止された新潟交通電車線で保存されているキ100形は現役ではありませんが、弘南鉄道のキ104とキ105、そして津軽鉄道のキ101の3両は今も除雪車両として稼働しています。

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※弘南鉄道弘南線津軽尾上駅

筆者は弘南鉄道大鰐線大鰐駅構内でキ105と電気機関車ED22 1を通過する車内から見かけました。一部に硝子が写り込んでしまいました。


※弘南鉄道大鰐線大鰐駅構内

そして弘南鉄道弘南線津軽尾上駅でキ104と遭遇したのです。


※弘南鉄道弘南線津軽尾上駅

硝子が写り込んでしまいましたがキ104・ED333と列車交換したのでした。


※弘南鉄道弘南線津軽尾上駅

そして戻った弘前駅でまたこのキ104にすれ違ったのです。


※弘南鉄道弘南線弘前駅

在京テレビ局クルーがラッセル車の稼働する姿の撮影に来ていました。筆者は残念ながら動く勇姿を見る事はできませんでしたが、子供の頃に絵本で見たラッセル車を近くで見ることができたのでとても幸せな気分になりました。

(写真・記事/住田至朗)