海も都市も空から結ぶ。SF映画のような世界が、タイで現実に近づこうとしています。東急グループなど4社はこのほど、次世代の空の移動手段「空飛ぶクルマ」の航路や販売・整備拠点の設置に向けた業務提携書を締結しました。シラチャ、バンコク、サムイ島を対象に、島や観光地を結ぶ航路、都市部と空港を結ぶエアタクシー、遊覧飛行などの事業化を検証します。

東急とタイ大手財閥系サハグループの合弁会社、サハ東急コーポレーションは、SkyDrive、サハ・パタナ・インターホールディング(SPI)、バンコク・エアウェイズの4社で、「空飛ぶクルマ」の航路や販売・整備拠点の設置を検証する包括的な業務提携書を2026年7月22日に締結しました。対象はシラチャ、バンコク、サムイ島です。

バンコク中心部から南東約100キロ、シラチャ

シラチャは、バンコク中心部から南東約100キロに位置します。製造業を中心とした日系企業が集まり、バンコクに次いで多くの日本人が暮らす地域です。タイ政府が産業誘致を進めるEEC(東部経済回廊)にも含まれています。

同社によると、シラチャでは、日本人駐在員と家族向けの居住エリア「ハーモニック レジデンス シラチャ」や商業施設「J-PARK」を起点に、シーチャン島、ラン島、パタヤを結ぶ航路を検証します。機体の販売拠点を設けることや、将来はサハグループが所有する工業団地内に整備拠点を置くことも検討します。

シラチャを起点とした「空飛ぶクルマ」の想定航路
シラチャを起点とした「空飛ぶクルマ」の想定航路(画像:東急)

東急、サハ東急、SPIの3社は2026年6月、シラチャにあるサハグループ所有地約112ヘクタールの将来開発を共同で検討する協定を締結しています。サハ東急は今回の提携で、既存インフラや現地の事業者と連携し、事業化を支援する体制の構築を担うとしています。

バンコク・サムイ島で移動手段としての活用を検証

バンコクでは中長期的な構想として、市街地中心部や主要な居住拠点とスワンナプーム国際空港を結ぶエアタクシーの導入を視野に入れます。慢性的な交通渋滞を避ける移動手段として、航路の実現性を調べます。

サムイ島では、海や島の景観を生かした遊覧飛行の事業化を検討します。空港と各リゾートエリアを結ぶ移動手段としての活用も検証する計画です。

4社は、タイ国内での商用化や機体販売を見据え、航路の選定や観光需要を段階的に調べます。運航開始時期や運賃は示されていません。

SkyDriveは2018年7月に設立され、2020年には日本初となる「空飛ぶクルマ」の公開有人飛行試験に成功しました。官民協議会の構成員として制度設計にも関わっています。2025年4月9日には、大阪・関西万博のメディアデーに合わせ、万博会場で公開フライトを実施しました。

(画像:東急)

鉄道チャンネル編集部
(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)

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