実りの季節の田園を走る錦川清流線の列車
錦川沿いの田園地帯をゆく錦川清流線。全線が1日乗り降り自由になるフリー切符が、スマホで買えるようになりました(画像:錦川鉄道)

山口県岩国市の川西駅から錦町駅までの32.7kmを結ぶ、第三セクターの鉄道「錦川鉄道 錦川清流線」。その全線が1日乗り降り自由になる「錦川清流線1日フリー切符」が、2026年9月18日(金)からスマートフォンで買えるようになりました。
価格は大人・小人ともに2,000円(税込)です。ジョルダンの経路検索アプリ「乗換案内」で購入し、降りるときに画面を運転士に見せるだけなので、窓口に並ぶ必要はありません。錦川に沿って走る車窓は、これからの紅葉はもちろん、新緑や桜の時季も見もの。山陽新幹線の新岩国駅から乗り継ぐ日帰り旅や、途中駅で温泉やご当地グルメに寄り道する小旅行にもぴったりです。
とはいえ、通常のきっぷと比べて本当におトクなのか、岩国駅から乗るときに気をつけたい落とし穴もあります。会員限定で売り出された5万円の年間フリー切符とあわせてご紹介します!

「錦川清流線1日フリー切符」が2,000円、9月18日からスマホで買える

ジョルダンと錦川鉄道は2026年9月18日(金)、錦川鉄道が発売する「錦川清流線1日フリー切符」と「曜日限定 錦川清流線年間フリー切符」を、モバイルチケットとして売り出しました。モバイルチケットは、ジョルダンの経路検索アプリ「乗換案内」の中で買って、そのままスマートフォンの画面で使えるデジタルのきっぷです。

【概要】錦川清流線1日フリー切符(モバイルチケット)
価格:大人 2,000円/小人 2,000円(税込)
有効期間:利用開始日の当日のみ
利用できる区間:錦川清流線の全線(川西駅〜錦町駅)が1日乗り降り自由
発売場所:「乗換案内」アプリ内、またはジョルダンのモバイルチケットサイト
支払い方法:クレジットカードなどのオンライン決済
使い方:事前に買っておける。降りるときに「チケットを使う」をタップして画面を運転士に提示する

紙のきっぷは事前の申し込みを受け付けておらず、当日に車内か錦町駅の窓口で買う必要がありました。モバイル版なら、出かける前に自宅で用意しておけます。

錦川清流線1日フリー切符モバイルチケットの案内リーフレット
モバイルチケットの案内。大人・小人とも2,000円で、対象は川西〜錦町の錦川清流線内です(画像:ジョルダン・錦川鉄道)

大人も小人も同じ2,000円 片道980円の通常運賃とどちらが得?

目を引くのが「大人2,000円・小人2,000円」という同額の設定です。錦川鉄道の運賃表によると、川西駅〜錦町駅の片道運賃は大人980円、小人490円。つまり大人は、単純に往復するだけなら通常のきっぷで1,960円と、フリー切符より40円安く済みます。

言い換えると、途中の駅で1回でも降りるなら、大人はフリー切符のほうがおトクということ。清流沿いの駅に降りて川を眺めたり、錦町で食事をしたりと、寄り道を前提にした乗り方で本領を発揮します。

一方で子ども連れの場合は注意が必要です。小人の往復運賃は980円ですから、モバイルの1日フリー切符(小人2,000円)より通常のきっぷのほうが安くなります。なお紙の1日フリー切符は2,000円で「小人の設定はありません」と案内されており、子どもの分は通常運賃で乗ることになります。

紙のきっぷに付くポストカードと乗車記念証は、モバイル版には付かない

錦町駅の窓口や車内で売っている紙の1日フリー切符には、オリジナルポストカードとご乗車記念証(1枚)が特典として付きます。引き換えは錦町駅の窓口(8時〜17時)です。

これに対してモバイルチケットには、この特典は付きませんと公式サイトに明記されています。旅の記念を持ち帰りたい人は紙、手ぶらで身軽に行きたい人はモバイル、と使い分けるのがよさそうです。

岩国駅から乗るなら注意 川西駅までのJR岩徳線は別料金

いちばん間違えやすいのがここです。フリー切符が使えるのは川西駅〜錦町駅の錦川清流線内だけで、岩国駅〜川西駅はJR岩徳線の区間にあたります。錦川清流線の列車は岩国駅0番線から直通で走っていますが、岩国駅や西岩国駅で乗り降りするときは、JR区間の運賃を別に支払う必要があります。

錦川鉄道の運賃表では、川西駅から岩国駅までが大人190円、西岩国駅までが150円。岩国駅から錦町駅までの通し運賃は大人1,170円です。岩国駅を起点にする場合は、フリー切符2,000円にこのJR区間の運賃が上乗せされると考えておきましょう。

山陽新幹線からは「清流新岩国駅」へ、連絡通路を歩いて7分

新幹線で向かうなら、山陽新幹線の新岩国駅から錦川清流線の清流新岩国駅へ乗り継ぐ手もあります。錦川鉄道の時刻表には「清流新岩国駅は山陽新幹線『新岩国駅』の最寄り駅 連絡通路にて徒歩7分」と記されています。清流新岩国駅は川西駅の隣で、フリー切符の有効区間に入っています。

錦川鉄道の公式サイトでは、岩国錦帯橋空港から錦川清流線(JR岩国駅0番線)への行き方、新幹線の新岩国駅から清流新岩国駅への行き方、岩国駅の改札から0番線への行き方を、それぞれ動画で案内しています。初めて乗る人は出発前に見ておくと安心です。

緑に囲まれた鉄橋を渡る錦川清流線の2両編成
錦川清流線の車両は色とりどり。山あいの鉄橋を渡る区間は車窓の見どころです(画像:錦川鉄道)

1日10往復、昼には3時間以上の空きも 時刻表を先に確かめる

乗り放題のきっぷを活かすなら、本数の確認が欠かせません。2026年3月14日改正の時刻表によると、錦川清流線は下り(岩国→錦町)10本、上り(錦町→岩国)10本の運転です。

所要時間は、岩国駅6時56分発の始発列車が錦町駅に8時2分着で、1時間6分。ただし日中は列車の間隔が大きく開きます。下りは岩国駅11時8分発の次が14時26分発で、3時間以上の空きがあります。途中下車を重ねる計画なら、この時間帯をどう使うかが組み立ての肝になります。

会員限定で5万円 金〜月曜と祝日が乗り放題の「年間フリー切符」も

同時に売り出されたのが「曜日限定 錦川清流線年間フリー切符」です。

【概要】曜日限定 錦川清流線年間フリー切符(モバイルチケット)
価格:50,000円(税込・小人の設定なし)
対象期間:初回利用日から1年間
利用できる日:金曜日・土曜日・日曜日・月曜日と祝日のみ
利用できる区間:錦川清流線の全線(川西駅〜錦町駅)が乗り降り自由
特典:錦町駅売店の商品が10%オフ(一部除外品あり)
条件:「錦川清流線サポーターズクラブ」の会員限定。購入には会員証の事前審査(最大1週間程度)が必要

サポーターズクラブは、2027年に開業40周年を迎える錦川清流線を応援する仕組みとして、錦川鉄道が募っているものです。登録は無料で、年齢・性別・国籍は問いません。会員になるとNT3000形車両のつり革に名前が表示される、とことこトレインに特別運賃で乗れる、といった特典もあります。申し込みから会員証が届くまで時間がかかるため、年間フリー切符が目当てなら早めの登録を。

錦川清流線とは 国鉄岩日線から転換した、清流沿い32.7kmの路線

錦川清流線は、岩国市の川西駅から同市の錦町駅に至る全長32.7kmの路線です。1987(昭和62)年7月25日、旧国鉄の特定地方交通線だったJR岩日線を転換して開業しました。

ほぼ全線が国道187号と清流・錦川に沿って走り、路線名もその錦川にちなみます。錦帯橋が架かる錦川の流れに寄り添うように線路が敷かれ、岩国から錦町までの約1時間、四季折々の景色を車窓から楽しめるのが持ち味です。春の桜、夏の新緑、秋の紅葉と、季節ごとに表情を変えます。

錦川鉄道は今回の発売について、この秋の山口デスティネーションキャンペーンにあわせ、錦帯橋周辺や錦川沿いの観光に活用してほしい、と呼びかけています。

紅葉が色づくこれからの季節、スマホひとつで乗り放題のきっぷを用意して、清流沿いの各駅に気ままに降りてみる――そんな1日を組んでみてはいかがでしょうか。
(画像:錦川鉄道、ジョルダン)

鉄道チャンネル編集部
(旅とおでかけ!鉄道チャンネル)