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新横浜駅の北側はどう変わる? 横浜市が「新横浜駅北部地区まちづくり方針」を26年10月策定、1日約20万人が乗る“陸の玄関口”に新図書館やスーパー誘導も

新横浜駅北部地区を中心とした新横浜の航空写真
新横浜の街並み。中央を東海道新幹線が走り、右手に日産スタジアム(横浜国際総合競技場)、遠くに富士山が見える

東海道新幹線の全列車が停まる新横浜駅。JR横浜線や市営地下鉄、東急に相鉄の駅も集まり、人口日本一の大都市である横浜の交通拠点となっています。その北側に広がるオフィス街と住宅地の「これから」を描いた計画が、2026年10月にまとまりました。横浜市が10月15日に発表した「新横浜駅北部地区まちづくり方針」です。
土地区画整理事業の完了から50年を迎えた街を、どんな方向へ育てていくのでしょうか?まちづくり方針には、新横浜駅前の新図書館との連携や、住民の声を受けたスーパーマーケットなどの誘導も盛り込まれています。
イベント開催や新幹線の乗り降りで訪れる人も多く、来年は「GREEN×EXPO 2027」来場者の玄関口にもなるであろう「新横浜駅」の周辺で始まるまちづくりの内容を、方針の資料を元に紹介していきます。

田園風景から“横浜の陸の玄関口”へ、区画整理の完了から50年

まちづくり方針の対象は、1975(昭和50)年に完了した新横浜駅北部地区土地区画整理事業の範囲です。港北区新横浜一丁目から三丁目などで、新横浜駅の北側、鳥山川に向かって広がるエリアです。
この一帯はもともと、小机城址と篠原城址の間に田畑が広がる平地でした。1964(昭和39)年、東京オリンピックに合わせて東海道新幹線の新横浜駅と横浜線の新横浜駅が開業し、区画整理が始まります。

新幹線工事中の新横浜周辺と1980年代の新横浜駅前
左は新幹線工事中、右は1980年代ごろの新横浜駅前(いずれも©港北区役所)

平成に入ると、横浜アリーナ(1989年)や横浜労災病院(1991年)、横浜国際総合競技場/日産スタジアム(1998年)が次々に開業。オフィスビルも建ち並び、いまの街並みができあがりました。2023年3月には相鉄新横浜線と東急新横浜線が開業し、乗り換えの拠点としての役割も大きくなっています。

方針では、新横浜を「横浜の陸の玄関口」と位置づけています。

新横浜駅周辺のMAP(「新横浜駅北部地区まちづくり方針」概要版より)

1日約20万人が乗る新横浜駅、数字で見る今の新横浜

方針の資料には、街の現状を示すデータも並びます。
新横浜駅の乗車人員は2024年度で1日19万9,849人。JR東海道新幹線、JR横浜線、市営地下鉄ブルーライン、相鉄新横浜線、東急新横浜線を合わせた数字で、資料では「横浜市内の駅で2番目に多い」としています。

2024年度の年間来場者数は、横浜アリーナが約189万人、新横浜公園(横浜国際総合競技場を含む)が約159万人、新横浜ラーメン博物館が約82万人。イベントやスポーツ観戦で訪れる人の多さがわかります。

新横浜の人口・駅の乗車人員・年間来場者数のデータ
新横浜駅の乗車人員は2024年度で1日19万9,849人。相鉄・東急の新横浜線開業で上積みされた

アクセスの面では、東海道新幹線の「のぞみ」で東京駅から最短17分、新大阪駅から最速125分。渋谷駅からは東急新横浜線で最速25分、羽田空港へは空港リムジンバスで平常時約40分です(いずれも2025年9月時点の資料による)。

一方で、街には約1万3,000人が暮らしています。オフィス街とイベント会場、そして住宅地が隣り合っているのが、新横浜の大きな特徴です。

目指す姿は「つどいが価値を生み つながりが未来を動かす都心」

まつづくり方針が掲げる目指す姿は、「つどいが価値を生み つながりが未来を動かす都心 新横浜」。「行きたい、働きたい、暮らしたい新横浜」を実現するため、地域・企業・行政が役割を分担しながら「新横浜ブランド」をつくっていくとしています。

キャッチフレーズは、住民らとのワークショップで提案された「つどう つながる 新横浜」。方針の中では、新横浜の愛称を「シンヨコ」としています。

まちづくりの方向性を示す6つのテーマ
まちづくりの方向性を示す6つのテーマ。駅、オフィス、街並み、交流、環境、防災に分けて整理している

まちづくりの方向性は、次の6つのテーマにまとめられています。

【6つのテーマ】
・横浜の陸の玄関口:広域交通の結節点としての機能と、駅周辺の「顔」づくり
・進化しつづける新横浜:オフィスの集積と、企業と連携した街の魅力づくり
・新横浜らしい街並み:通りごとの個性を生かした、歩きたくなる街並み
・新横浜でつながる:つどいたくなる場所づくりと、歩いて楽しい街
・新横浜の環境:鳥山川沿いの緑などを生かした環境づくり
・新横浜の安全安心:大規模イベント時も含めた防災・減災の備え

駅まわりでは、初めて新横浜を訪れる人も迷わず乗り換えられるよう、経路のバリアフリー化や案内表示のユニバーサルデザイン化を続けるとしています。バスやタクシー、シェアサイクルといった駅からの移動手段の充実、新しいモビリティの導入、デッキの拡充も挙げられました。

駅前・中央・住宅街…4つのエリアで何が変わる?

方針では、新横浜駅から鳥山川に向かって、オフィス街から商店の並ぶ通り、川沿いの公園と住宅街へと少しずつ表情を変える街並みを「グラデーション」と表現しています。そのうえで、エリアごとに次のような方向性を示しました。

新横浜駅北部地区の4つのエリアの方向性
駅周辺、北部中央、施設と通り、新横浜一丁目・川沿いの4つに分けて方向性を示している

新横浜駅周辺エリアでは、建物の共同化などで土地の高度利用を進め、オフィス・商業・ホテルが建ち並ぶ活気あるエリアをつくります。地区の顔として、住民や企業が交流できる機能や、街を楽しめる滞留機能も誘導します。

駅前では、新図書館の整備計画も進んでいます。横浜市教育委員会が2026年3月に策定した「新図書館整備基本構想」で、建設予定地は港北区新横浜二丁目、新横浜駅から徒歩1分の北口駅前広場に隣接する市有地とされています。整備は概ね7〜10年程度の計画です。今回の方針では、まちづくりと新図書館の整備を連携させ、地域や企業が交流する場や、街を歩いて巡るきっかけをつくるとしています。

北部中央エリアでは、オフィス・商業・ホテルやサービス施設などを誘導し、「24時間365日、様々な表情があるエリア」を目指します。建物の低層部には、スーパーマーケットなど暮らしを支える施設も誘導する方針です。

施設と通りでは、アリーナ通りやF・マリノス通りなど、イベント会場へ向かう通りの特徴を生かします。「イベントの行き帰りに高揚感を楽しむ場」づくりや、デッキの拡充、歩行空間の活用などで、街の回遊性を高めるとしています。

新横浜一丁目・川沿いエリアは、新横浜駅前公園沿いに共同住宅が建ち並ぶ閑静な住宅街です。落ち着いた雰囲気を保ちながら、子育て環境などの向上につながる利便施設を誘導し、夜間防犯のための照明設置なども進めます。

このほか、自動運転バスの運行や歩行空間の活用、オープンデータを使ったイベント来場者の分析など、地域一体での実証実験に挑戦することも考えられる、としています。

市民の声で加わったスーパー誘導や子どもの居場所

方針は、2023年からのワークショップや町内会・自治会へのヒアリングを経てまとめられました。2026年6月30日から7月30日まで行った素案への市民意見募集には、46通126件の意見が寄せられています。
横浜市によると、意見を受けて反映した主な内容は次の4点です。

【市民意見を受けて反映した主な内容】
スーパーなど商業施設の誘致:品ぞろえ豊かなスーパーマーケットなど生活利便施設の充実
受動喫煙の防止:働く人、暮らす人、訪れる人の健康や快適さに配慮
子どものための場や子育て支援:子どもたちが遊び、学ぶ居場所づくり
大規模イベント時の防災:イベント時の対策も含めた災害リスクの低減

新横浜は横浜アリーナや日産スタジアムでのイベント時に、多くの人が一度に集まる街でもあります。方針では、災害時に「むやみに移動を開始しない」という一斉帰宅抑制の考え方や、帰宅困難者の一時滞在施設を増やす必要性にも触れています。

なお、今回の方針はまちづくりの方向性を示すもので、個別の建物や施設の完成時期を定めたものではありません。具体的な再開発の計画は、今後、方針に沿って地域や企業とともに検討されていくことになります。

「新横浜駅北部地区まちづくり方針」

策定:2026年10月
対象範囲:港北区新横浜一・二・三丁目他(1975年に完了した新横浜駅北部地区土地区画整理事業の範囲)
目指す姿:つどいが価値を生み つながりが未来を動かす都心 新横浜
キャッチフレーズ:つどう つながる 新横浜
発行:横浜市都市整備局
協力:新横浜町内会、新横浜自治会、アデニウム新横浜自治会
公開先:横浜市Webサイト「新横浜駅北部地区まちづくり方針について」(本編・概要版・テキストデータ)

新幹線の乗り換えやライブ、スポーツ観戦で通り過ぎることの多い「新横浜」ですが、住民と企業が一緒にお祭りや防災訓練に取り組んできた街でもあります。来年、横浜市内で開催される「GREEN×EXPO 2027」の期間中は、各地から訪れる多くの人の横浜への玄関口としても機能することでしょう。駅前を訪れる際には、新図書館をはじめ、これからの変化を思いながら景色を眺めてみて下さい。

(画像:横浜市「新横浜駅北部地区まちづくり方針」概要版より、新幹線工事中と1980年代の写真は©港北区役所)

鎌田 啓吾
(旅と週末おでかけ!鉄道チャンネル)

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