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JR王子駅前に高さ190m超高層ツインタワー&北区新庁舎が誕生! JR・南北線・都電の3層動線の駅直結4.2ha再開発計画まとめ、2032年度から順次開業

王子駅前の再開発の建物イメージ
JR京浜東北線、東京メトロ南北線、都電荒川線(東京さくらトラム)の3路線が集まる王子駅の東側で、高さ約190mと約185mの超高層ビル2棟と、北区の新しい区役所庁舎を建てる大規模な再開発が本格始動しました。対象は東京都北区王子一丁目と堀船一丁目の約4.2haで、3つの建物の延床面積は合わせて約31万8,500㎡になります。
住友不動産が参画する東地区が2032年度、西地区が2033年度、北区新庁舎が2034年度にそれぞれ完成を予定しています。地下・地上・2階デッキをつなぐ3層の歩行者動線によって鉄道3路線の乗り換えがバリアフリー化されるほか、荒川氾濫に備えた地上5m以上の避難デッキも整備されます。現在、東京都が環境影響評価書案を縦覧中で、都民からの意見書を2026年11月26日(木)まで受け付けています。
この記事では、3つの地区棟のフロア構成や乗り換え動線の改善ポイント、今後の都市計画決定スケジュールまでをご紹介します。

西地区は高さ約190mで住宅・商業・ホテル、東地区は約185mの住宅棟

計画地は、王子駅の東側、石神井川をはさんで駅前に広がる区域です。北地区・西地区・東地区の3つに分かれ、それぞれ別の事業者が建物を建てる計画です。

王子駅前地区の主な基盤整備内容を示した配置図
赤枠が計画区域。北地区・西地区・東地区の配置と、幅員16mの貫通道路、王子駅南口駅前広場、南北線地下道のバリアフリー化、2階デッキなどの主な整備内容を示す(画像:東京都北区の・オープンハウス型説明会掲示資料)

一番大きいのが、王子駅前地区市街地再開発準備組合が手がける西地区(約2.0ha)です。高さ約190m、延床面積約16万5,000㎡の建物に、住宅、商業、事務所、ホテルなどが入ります。完成は2033年度の予定です。

住友不動産が手がける東地区(約0.7ha)は、高さ約185m、延床面積約10万5,000㎡で、住宅と子育て支援施設などのサービス施設が入ります。完成は2032年度の予定で、3地区の中でいちばん早く完成します。

北区が手がける北地区(約1.3ha)には、高さ約70mの北区新庁舎が建ちます。延床面積は約4万8,500㎡で、庁舎のほか店舗なども入り、2034年度に完成する予定です。
北区は2017年に、国立印刷局王子工場の用地の一部を新庁舎の建設地として取得する協定を結んでいます。

王子駅前地区再開発の完成イメージ。北区新庁舎と超高層2棟
計画地北側の北区立王子駅前公園付近から見た完成イメージ。右の2棟が西地区(高さ約190m)と東地区(高さ約185m)、左が北区新庁舎(北地区)。(画像:東京都北区)

【概要】王子駅前地区の開発計画(東京都・北区の説明会資料より)
・北地区(北区):高さ約70m、延床面積約4万8,500㎡、区庁舎・店舗等、2034年度竣工予定
・西地区(王子駅前地区市街地再開発準備組合):高さ約190m、延床面積約16万5,000㎡、住宅・商業・事務所・ホテル等、2033年度竣工予定
・東地区(住友不動産):高さ約185m、延床面積約10万5,000㎡、住宅・子育て支援施設等、2032年度竣工予定

着工予定:西地区・東地区は2028年度、北地区は2031年度
区域:東京都北区王子一丁目・堀船一丁目の約4.2ha
延床面積の合計:約31万8,500㎡

JR・メトロ・都電の乗り換えを地下・地上・デッキの3層でバリアフリーに

現在の王子駅は駅前の動線が複雑で、バリアフリーの対応も十分ではありません。石神井川で地区が分断されていて、JR王子駅の北口・中央口と南口の間は、車での行き来もしにくい状態です。

王子駅と王子駅前地区を結ぶ歩行者動線図
王子駅(JR北口・中央口、都電、地下鉄)と3地区を結ぶ歩行者動線のイメージ。矢印は地下・地上・デッキの動線で、西地区に縦動線(エレベーター等)が設けられる(画像:東京都北区)

再開発では、東京メトロ南北線の駅から開発街区までをバリアフリーでつなぎ、地下通路・地上広場・地上2階デッキの3層にわたる歩行者の動線をつくり、この「3層構造」を縦動線エレベーターで接続します。
地下鉄とJR、都電の3路線を結ぶ新しいバリアフリーの動線を確保することで、雨や段差を気にせず、スムーズに行き来できるようにする計画です。

あわせて、石神井川に架かる橋を架け替えて、南北を結ぶ幅約16m・長さ約250mの道路を新しく通し、JR王子駅南口付近の交通広場(約1,500㎡)も整備し直します。

飛鳥山につながる6千平米の緑地、水害時に逃げられる歩行者デッキも

地区計画の原案は、「飛鳥山をまちなかにつなぐ」をテーマにしています。

飛鳥山側から見た王子駅前地区の完成イメージ
飛鳥山側から見た完成イメージ。線路の向こうの駅前に超高層棟と低層部の広場が並び、飛鳥山とまちをつなぐ緑の軸をつくる。(画像:東京都北区)

駅西側の飛鳥山公園や石神井川の緑と水辺を、緑の少ない駅東側の市街地へ広げるため、約6,000㎡の緑地と約8,000㎡のオープンスペースを整えます。北区の資料では、オープンスペースは現況の約700㎡から約11倍、緑地は約2,300㎡から約2.6倍になります。

緑と広場・緑の配置方針
緑と広場の配置計画(図:東京都北区、第4回王子共創会議 資料より)

防災面の備えも特徴です。王子駅東側は、荒川氾濫時に最大3.35mの浸水リスクを抱える低地帯です。このため、各地区の建物を地上から5m以上の高さに設定した歩行者デッキでつなぎ、荒川の氾濫時にも安全に移動できる避難路にします。

荒川氾濫時にも使える歩行者デッキの配置図
西地区と北地区(北区新庁舎)、西地区と東地区を結ぶ歩行者デッキ(浸水しない動線)。デッキは地上から5m以上の高さに設定される(画像:東京都北区のオープンハウス型説明会掲示資料)

東地区と西地区には、災害時に帰宅困難者を受け入れる一時滞在施設(450人相当)と防災備蓄倉庫も設けます。

環境影響評価書案の意見は11/26まで、都市計画決定は2027年3月ごろ

東京都の環境影響評価条例にもとづく手続きでは、事業者の王子駅前地区市街地再開発準備組合と住友不動産が、2026年9月25日に環境影響評価書案を提出しました。
評価書案の縦覧は11月11日(水)まで、都民の意見書の受け付けは11月26日(木)までです。評価書案は東京都環境局のサイトで見られるほか、環境局の窓口でも閲覧できます。

都市計画の手続きは、地区計画の原案の縦覧が10月15日、原案への意見書の受け付けが10月22日で終わりました。今後は、2026年12月ごろに都市計画の案の公告・縦覧と北区都市計画審議会、2027年2月ごろに東京都都市計画審議会を経て、3月ごろに都市計画を決定する予定です。

【王子駅前地区再開発計画の手続き】
環境影響評価書案の縦覧:2026年10月13日(火)~11月11日(水)
環境影響評価書案への意見書:2026年10月13日(火)~11月26日(木)
都市計画の案の公告・縦覧:2026年12月ごろ(予定)
都市計画決定・告示:2027年3月ごろ(予定)
最寄り駅:JR京浜東北線・東京メトロ南北線 王子駅、都電荒川線 王子駅前停留場

空から見た王子駅前、今回の再再開発地は写真左奥の区画、右奥の緑が飛鳥山公園
空から見た王子駅前、再開発地は写真左奥の駅前区画、右奥の緑が飛鳥山公園(写真:PIXTA)

王子は飛鳥山の桜と都電の街、北区役所も駅前へ

王子駅の西側にある飛鳥山公園は、江戸時代から桜の名所として知られ、春には多くの花見客でにぎわいます。王子駅前から飛鳥山へ向かう都電荒川線は、急な坂とカーブを走る区間として鉄道ファンにも人気です。

王子駅から坂を登り切った、あすかや間交差点付近の風景
春の飛鳥山交差点付近を走る都電荒川線の車両(写真:PIXTA)

北区は、耐震性の不足や老朽化、庁舎の分散といった課題を抱える現在の区役所を、駅前の新庁舎へ移す計画を進めています。区役所と超高層ビル2棟、新しい緑地が並ぶと、王子駅前の景色は大きく変わりそうです。

歴史ある飛鳥山の自然と都電の風情を残しながら、地上190mの先進的な超高層複合都市へと生まれ変わる王子駅前。2032年度からの順次完成に向けて、交通の円滑化と防災力を兼ね備えた新しい北区の顔が形作られていくプロセスに期待が高まります。
(画像:東京都北区のオープンハウス型説明会掲示資料より、計画は今後の設計や手続きで変わる場合があります。)

鉄道チャンネル編集部
(旅とおでかけ!鉄道チャンネル)

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