国土交通省は、2016年度の「鉄軌道輸送の安全に関わる情報」についてまとめ、鉄軌道における運転事故、踏切事故、人身障害事故の件数について公表しました。

「長期的には減少傾向にある」という運転事故件数は、2016年度も前年度と比べて12件減少し715件。踏切事故の発生件数も、長期的には減少傾向にあり、前年度比13件減少の223件。

これに対し、人身障害事故は前年度比13件増加の429件でした。

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ここでいう「運転事故」は、列車衝突事故、列車脱線事故、列車火災事故、踏切障害事故、道路障害事故、鉄道人身障害事故、鉄道物損事故をさします。

また「鉄道人身障害事故」は、列車または車両の運転により人の死傷を生じた事故(列車衝突・列車脱線・列車火災・踏切障害・道路障害の事故にともなうものを除く)をさします。

同省では、2016年度の事故発生状況などについて、次のようにまとめています。

「鉄軌道における運転事故」は、踏切事故対策、自動列車停止装置(ATS)の整備・改良等を実施してきた結果、長期的には減少傾向にあり、2016年度の事故件数は715件(対前年度12件減)、これによる死亡者は308人(対前年度22人増)、負傷者は337人(対前年度2人減)。

「踏切事故」は、立体交差化や踏切保安設備の整備を推進してきた結果、長期的には減少傾向にあ
り、2016年度の事故件数は223件(対前年度13件減)、これによる死亡者は97人(対前年度4人減)、負傷者は93人(対前年度31人増)。

「人身障害事故」は、2016年度の事故件数は429件(対前年度13件増)。このうち、線路内
立入り等による列車との接触によるものは230件(対前年度23件増)、ホームでの列車との接触によるものは187件(対前年度11件減)。

同省は、「鉄道運転事故等の報告、輸送の安全に関する行政指導の実施状況、安全に関わる鉄道施設の整備状況等について、毎年度整理し公表する」と伝えています。