青海川駅を見おろす茶屋、桜が見ごろ
国内で最も海に近い駅、青海川駅―――。
この駅を見おろす茶屋の桜が、見ごろをむかえている。
酒の新茶屋。青海川駅の山側出口から旧北国街道の山道をのぼって5分。北陸道米山インターからクルマで1分。国道8号北陸道の真っ赤な米山大橋の西側にある小さな酒屋。
嘉永元年以前から、旧北国街道の峠の茶屋として続く、街道のオアシス。
店の前にはC57 180の蒸気機関車の絵。1階が酒屋、2階が無料ラウンジ。
1階で買った酒を片手に、2階ラウンジで、桜と青海川駅、北陸線と恋人岬、松尾芭蕉が歩いた旧北国街道を、いつまでも眺めていられる。
新潟地酒専門店だから、吟田川、八海山、越乃白銀、雪中梅、清泉、越乃男山、米山大橋、金鶴、越乃鹿六、山越、越の露、山古志、雪鶴、銀の翼、越後さむらいといった10以上の蔵元の銘酒にありつける。
それだけじゃない。地ビールの青海川夢街道、醤油の延喜、新茶屋うどん、かぐら辛っ子 麹漬け、三階節みそといった地元品も。
昨年11月下旬の出張で、この店をたまたま通りかかった。人けのない街道筋で、ここだけ人の声が聞こえてきた。
凍えるほどの寒さのなか、2階のベランダでビールを開けると、店主の女性が声をかけてきた。
「春は桜がきれいだから、また来てよ」
EF81が引く西ゆき貨物列車、特急しらゆき、115系。列車の足音がさると、柏崎の波打つ音。風の音。
山道をくだり、青海川駅へむかう途中、ホーム脇を流れる谷根川のほとりに立つと、黒々とした巨大な魚の群れ。
鮭の遡上。母川へ回帰する、生きるダイナミズムを目のあたりにして、電車を待つ。
青海川駅の脇を流れる谷根川(たんねがわ)の冬の風物詩、鮭の遡上。母川回帰のダイナミズム。泣けた。ビール買って、青海川駅から長岡駅までの115系での帰路でそのインパクトを感じながら呑む。また泣いた。長岡で新幹線の最終まで呑んじゃおうかな。#鉄道チャンネル pic.twitter.com/lGmdoH1ceY
— 鉄道チャンネルニュース班 (@tetsudo546) 2017年12月6日