新豊田ホーム。けっこうな利用者の数です。2008年(平成20年)にホームが拡幅されるまでは、たぶん床の二重線の手前部分だけだったのでしょう。それではいくらなんでも狭過ぎます! 2008年(平成20年)の平均乗降人員は12,070人/日にもなるのです。(豊田市統計書から)

新豊田駅〜三河豊田駅間は、2008年(平成20年)に複線化されています。

下り列車が来ました。すれ違う列車が、ほとんど愛知環状鉄道コーポレートカラーの青い帯が配されたタイプです。2000系導入時の緑色の大胆な塗装の入ったタイプに乗車して岡崎に向かってはいますが、同じ塗装タイプをなかなか見かけません。魅力的なデザインだと思うのですが。

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駅予告票があります。新上挙母、読み方が分かりません。

新豊田駅から1.9kmで新上挙母(しんうわごろも)駅。2008年(平成20年)の新豊田駅〜三河豊田駅間の複線化で新たに相対式ホーム2面2線になっています。上下ホームは同じ長さです。

駅名標。この駅も東200m程に名鉄三河線の上挙母駅があるので「新」上挙母駅という次第。

駅名標のコラムでも書きましたが、この新上挙母という不思議な駅名。

「新」と「上」をとった「挙母」について、1959年(昭和34年)まで豊田市が、実は「挙母市」だったコトを知れば、謎は氷解します。江戸時代に挙母藩が治めていた土地ということから始まっていて、明治時代に挙母村だったのが挙母町、昭和26年(1951年)には挙母市になったのです。1959年(昭和34年)に豊田市に改称されたのです。改称されて以降に物心ついたので知らなくても仕方無いですよね。しかし、こうして古い地名が駅名として保存されているのは素晴らしいことです。

新上挙母ホーム。ここも周囲は観えません。個人的には駅の周囲が見えて欲しい、息苦しくなっちゃうのです。

逆光が続いて仕方無いとは言え苛々します。復路は、岡崎駅着が正午を過ぎるので、午後の逆光になっちゃうというマヌケな話です。三河豊田の駅予告票。

1.7kmで三河豊田駅。逆光ノイズ御容赦あれかし。

なんだか右に偏った奇矯な位置に島式ホームがあります。上り線が下り線に、下り線はその外側に出て行きます。何でこんな変なコトをしたのか、たぶん、複線化される前は単式ホームに現在の下り線だけだったのでしょう。ソレを無理矢理に複線化したので仕方無く新たに下り線を単式ホームの反対側に敷いたと考えられます。

単線と複線の入り組み方が何とも複雑怪奇で、前面展望が不思議な愛知環状鉄道線です。では、【私鉄に乗ろう89】愛知環状鉄道線 その9 に続きます。

(写真・記事/住田至朗)