【私鉄に乗ろう 66】紀州鉄道線 その4

市役所前駅からは0.3kmで西御坊駅です。

終端表示がありますが、1989年(平成元年)日高川駅までの0.7kmが廃止されています。

駅名標。背後の駅舎内には懐かしい写真が飾られていました。

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駅舎御坊側の出口方向。

こんな看板もありました。

こちらは改札口、10:30までは駅員配置です。13:27に御坊駅を出発して13:45に西御坊着。折返し御坊行は14:10なので25分ほど待ちます。

雨の中、外に出て駅舎と車両。

駅舎に付いていたマーク。紀州鉄道だと思います。

超親切な運転士さんが前面展望撮るのなら、とガラスの汚れをスプレーで綺麗にしてくれています。それで復路の前面展望写真は綺麗なのです。

終端部からです。

そのまま振り返ると、日高川駅までの古い線路が残っています。

橋梁は撤去されていました。

14:10に西御坊を出発。14:18御坊着です。

雨がふって居なければ紀伊御坊で下車して古い車両の写真を撮ったり、西御坊から日高川駅までの廃線跡や大和紡績への専用線跡などをたどってみようと思っていましたが果たせず。改めて天気の良い時に再訪したいと考えています。

紀州鉄道、今までに乗ってきたローカル民営鉄道としては、銚子電鉄と列んで設備も車両も老朽化が進行していました。特に枕木がほとんどPC化されていないことや路盤の老朽化で制限速度が低く設定されていたことが気になりました。

かつては100万人運んだという路線も、2004年(平成16年)と古い数字ですが乗車人員が年間10万人にまで減少しています。2010年度の営業係数(100円の営業収入を得るためにかかるコスト)は367.8で、現存する日本の鉄道事業では最も悪い数値でした。

幸い廃止の話は無いようですが、私鉄は民間の私企業が経営していますから公共交通機関としての責務はあるものの、慈善事業では成り立たないのでとても心配です。物静かでとても親切だった運転士さんに感謝しながら、紀州鉄道が元気に走り続けることを願いたいと思います。

(写真・記事/住田至朗)