ストローの使用中止も良いけれど

2019.02.08

海洋のプラスチック汚染が世界的にも問題視されていることは御存知ですよね。飲食業などが店舗でのプラスチック製ストローを使用中止にするなどのニュースも流れています。

ひとつ注意しなければならないのはプラスチックは「可塑性」があるという意味の英語です。一般的に私たちがプラスチックと呼んでいる「物質」は「合成樹脂(synthetic resin)」のことがほとんどです。合成樹脂とは人為的に製造された高分子化合物からなる「物質」です。しかも素材としての合成樹脂と成形されて硬化した完成品を共にプラスチックと呼んでいる様です。

合成樹脂は主に石油を原料としています。安価に大量に作ることができ、金型に流し込むことで成形が簡単なために日用品、工業分野、医療分野の製品に使われています。しかも製品の特性や使用目的に合わせた特性・性能を樹脂の合成で簡単に付与できることもあって極めて広い分野で用いられています。

問題は「水に強く腐食しにくい」という共通の性質を持つことです。

ここで、微生物によって分解される生分解性プラスチックが注目を集めています。今日のトレンドは、2019年2月13日・14日にベルギーのヘントで開催される「EUROPEAN BIOPOLYMER SUMMIT 2019」に我が国の総合澱粉メーカー日本コーンスターチ(株)がコーンスターチを原料にした生分解性プラスチックを発表するというニュースです。

以下に、日本コーンスターチ(株)のリリースを引用します。

日本コーンスターチは、長年の研究の結果、コーンスターチをベースにした生分解性プラスチックの開発に成功し、特許を取得しております。この生分解性プラスチックはボールペンの素材、農業用マルチフィルム、塗料などの幅広い用途向けに販売実績がございます。また、昨年からは、近年の脱プラスチックの流れを受け、より汎用性が高く、機能の高い、新たな生分解性プラスチック製品の開発を目指し、アメリカ ミシガン州立大学と協力した共同研究を開始しております

 今回、2月13日~14日にベルギーヘントで開催されるEUROPEAN BIOPOLYMER SUMMIT 2019のセミナーにて、これらの開発の取組、保有している特許技術、今後の開発の展望を発表いたします。

 日本コーンスターチは総合澱粉メーカーとして、環境に優しく時代のニーズにあった生分解性プラスチックの安定供給を目指し今後も邁進してまいります。


コーンスターチは文字通り「コーン=トウモロコシ」から作られた「スターチ=澱粉」です。日本の片栗粉は元来は植物であるユリ科のカタクリの根茎から作られていました。しかし現在はほとんどがジャガイモから作られているためコーンスターチとは全く異なります。

化石燃料、石油の枯渇が現実的な問題となっていますが、天然資源由来の生分解性プラスチック
は石油資源無き後の全てのプラスチック製品になると考えられています。未来がバラ色に見えるかの様な生分解性プラスチックですが、まだまだ現状では以下の様な課題がある様です。

・合成樹脂性に比べてかなり高価
・同様に合成樹脂性の特質であった耐久性・機能性で劣る
・環境によっては使用中に分解が進み使用不能となる可能性がある

このコーンスターチから作られる生分解性プラスチックが、少しずつでも上記の欠点を克服することを期待したいですね。

【参考】
社   名:日本コーンスターチ株式会社
本社所在地:〒107-0052 東京都港区赤坂一丁目11番44号 赤坂インターシティ3階
U  R  L:ここ
創 業:慶応3年
設 立:昭和37年9月20日
事 業 内 容:コーンスターチ,糖化製品,化工澱粉,コーンサラダオイル,副産物およびその他関連製品の製造・販売


創業慶応3年というのも凄いですね。

余談ですが、コーンスターチってベビーパウダーなどの化粧品などにも使われているんです。

個人的な思い出です。撮影用の食品は「見た目」だけで味は問われません。天ぷら蕎麦などの天ぷらは汁に溶けない様にコーンスターチを混ぜた衣で揚げていました。カリッとした天ぷらを演出するために微量のコーンスターチを衣に入れている天ぷら屋さんは有る様です。

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