えきそば まねき

姫路駅に行く度についつい食べてしまう駅そばです。何と言ってもラーメン玉を和風の汁に浮かべているところがオリジナルです。でもクセになります。天ぷらそば(写真)が360円とリーズナブルです。
えきそば まねき

ホームだけではなく、階下の構内にも店があります。
えきそば まねき

店内には「何故 黄色いそば なのか」が掲出されています。
えきそば まねき

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最初は駅うどんを始めたのでしたが、冷蔵庫の不備な時代でうどんは傷みやすかったのです。うどんを諦め「かん水」を入れた「黄色いそば」(ラーメンの麺に近い)を開発し自社で製造に乗り出したとあります。昭和24年(1949年)に姫路駅のホームで立ち売りを始めたそうです。せともの容器付きで50円。町でうどん1杯が30円だった時代だったそうです。

まねき食品株式会社ホームページにある当時の写真には確かにホーム上に立ち食いの店があって「50円」と貼られていました。

何しろ1889年(明治22年)に姫路駅構内で幕の内弁当を売り出した会社というのですから歴史は古いのです。しかし戦後すぐの頃は食糧事情が悪く、食材が入手しにくかったのです。幕の内弁当製造などとても無理だったので安くてすぐにオナカが満たせる「駅そば」になったそうです。

店内に掲出されていた写真。寒い日には湯気も御馳走だったという雰囲気です。
えきそば まねき

最近は食事を優雅に、時間をかけて楽しむという方向に駅ナカの飲食店も変わりつつあります。しかし、短時間でサッと空腹を満たすという駅独特の需要は必ずあるはずです。全国的に駅そばが閉店していく傾向を駅そばファンの原武史氏はしばしばエッセイで嘆いています。筆者も同感です。

その点、まねき食品が現在も精力的に駅そばを出店しているのは心強いですね。東京にも来てほしいなぁ。

(写真・記事/住田至朗)