JR東京駅に採れたての特産品が並ぶ

北陸新幹線で運ばれた地域のくだものを生産者らが受け取るセレモニーイベント

2019年9月5日(木)、JR東京駅八重洲地下中央口改札から徒歩一分の「グランルーフフロントイベントスペース」(改札外)にて、「ながの果物語り 新幹線マルシェ」が開催されました。初日にあたる今日は生産者による受け取りイベントも実施。長野県PRキャラクター「アルクマ」も応援に駆け付け、駅利用者に旬のフルーツや長野の特産品を販売しました。

長野県PRキャラクター「アルクマ」 (c)長野県アルクマ

今回のイベントはJR東日本グループの「地域再発見プロジェクト」の一環として実施されたものです。長野県長野地域振興局・JR東日本長野支社・JAながの・鉄道会館・日本郵便等が協力し、JRの誇る新幹線ネットワークと首都圏における販路を生かして地域活性化を進めようという趣旨のもと、全5回10日間にわたりぶどうやマスカット、りんごなどの特産品をアピールします。

本日の目玉は長野県オリジナルぶどうの「ナガノパープル」。ぶどうはどうしても皮と種を捨てるのが手間で自宅ではなかなか手が伸びなかったりもしますが、こちらは種もなく皮ごと食べられる品種なので、水洗いしてしまえば一粒丸ごといただけます。これならめんどくさがり屋さんでも気が楽ですね。記者も二粒ほどいただきましたが、ほどよい酸味と甘みで美味しくいただけました。ちなみに粒が大きい方が美味しいそうです。

新幹線で輸送された20kg×9箱の「ナガノパープル」
種なしで皮ごと美味しくいただけました

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ただ、お菓子の袋を開けたら丸ごと食べつくすタイプの方はどうかご用心を。このぶどう、一粒食べると無限に手が伸びてしまう類の危険なフルーツだと思いますので……。

新幹線を用いた産直輸送も点から線のフェイズへ?

輸送には日本郵便も絡む

さて、この「ナガノパープル」はどうやって東京駅まで来たのでしょうか。

特産品の輸送イメージは上記画像の通り。午前中に採れたくだものを日本郵便の配送車で長野駅まで輸送。長野駅からは、長野11:26発→東京13:12着の「あさま614号」、長野12:27発→東京14:12着の「あさま616号」で東京駅へ。荷下ろし後のマルシェ会場までの輸送はジェイアール東日本物流が担い、新鮮な旬の特産品を午後の早い時間帯に東京駅構内に並べます。

新幹線輸送のメリットは、やはり旬のもの、採れたてのものを東京駅で提供出来るところ。東京駅構内での物販となると、お帰りの方やこれからお出かけの方が手土産として購入するパターンが多く、昼~夕方にマルシェを開催することでニーズを掴みたいといった狙いもあるようです。

野菜・鮮魚等の新幹線を使用した貨客混載による輸送については過去にも例がありますが、いずれも単発のイベントとして実施され、次のステップへ踏み出すには至りませんでした。しかし今回の「果物語り」は5回にわたるシリーズということで、鉄道会館の森下大輔氏は「単発のイベントから次のフェイズへ移ったのではないか」とコメント。新幹線を使用した各地の特産品の輸送についても「ゆくゆくは『毎週水曜日はここに新幹線で届いたくだものが並びます』とか『周辺に飲食店も多いので、毎週何曜日は新幹線で来たおさかなを調理します』というような継続的な取り組みにしていけたら」と話しました。

「ながの果物語り 新幹線マルシェ」第1回は明日9月6日(金)まで。第2回以降は品を変え、9月19日~20日、10月10日~11日、10月24日~25日、11月7日~8日に開催。時間は15時~20時までですが、売り切れ次第終了となります。

※第2回のみ丸の内地下中央口改札から徒歩1分の「動輪の広場」での開催となります。

記事/写真:一橋正浩