上米内駅 写真:Pixta

2019年9月30日、クラウドファンディングサイトCAMPFIREにて「無人駅の活用」をテーマとするクラウドファンディングが2件スタートしました。

「イーハトーブの里山に、無人駅を活用したカフェと工房を作りたい!」

画像:一般社団法人次世代漆協会

山田線上米内駅(岩手県盛岡市)では、一般社団法人次世代漆協会が中心となり、無人駅をリニューアルして待合カフェ、駅内広場、マルシェ、そして漆工房を作ります。

集まった費用は間取りの変更や駅舎外装塗装、電気、空調設置工事や飲料提供設備の設置に使用。リターンとしてウルシの苗や車掌体験・一日駅長体験、駅舎命名権などが用意されています。

無人駅を活用して燕三条地域の産業発信地と交流拠点にしたい

写真:有限会社ストカ

信越本線帯織駅(新潟県三条市)では、「ものづくりのまち」燕三条の有限会社ストカが中心となり、無人駅をリノベーションして工房を設置。

工房はデザインの講習や溶接機、ボール盤を使用しての加工、組み立てなどが気軽にできる場所として地域交流の拠点とします。リターンは箸置きや万能庖丁、帯織駅における自社PR権など。

ともにAll-In方式のクラウドファンディングなので、目標金額に達しなかった場合でも支援金は支払われ、必ずリターンを受け取ることができます。

「地域にチカラを!プロジェクト」

この2件のクラウドファンディングは、JR東日本およびJR東日本スタートアップと株式会社CAMPFIREが共同で推進する「地域にチカラを!プロジェクト」の中で育まれたものです。

2018年12月からおよそ1ヶ月にわたり「地域商品開発」と「無人駅の活用」の2つのテーマで「地域をより元気に、より魅力的にするアイディア」の一般公募を行ったところ、「無人駅の活用」部門に36件の応募がありました。そこで選ばれたのが今回の2つ。

JR東日本は地域活性化の舞台として地域の企業・団体に無人駅の駅舎を貸付け。各企業団体は資金をCAMPFIREのプラットフォームを利用して調達する、という仕組みになっています。もしこの流れがメインストリームになったら、日本各地の無人駅が地域独特の味のある建物に変わっていくという未来が訪れるかもしれませんね。

鉄道チャンネル編集部