JR品川駅改札内でSDGs推進をテーマとする実証実験「STARTUP_STATION in 品川駅」が始まりました。

イベントスペースでは様々な絵柄を組み合わせてプリントTシャツを作る「SDGs Tシャツ」の制作・販売や、ハッピーセットのおもちゃから作ったサステナブルnanoblockを使用した「高輪ゲートウェイ駅のジオラマ」の展示が行われています。

ケミカルリサイクル×福祉アート「SDGs Tシャツ」

「SDGs Tシャツ」は日本環境設計株式会社が作る「服から服をつくるサーキュラーエコノミー(※1)」をコンセプトにした再生ポリエステルによるコットンライクTシャツを使い、その場でオリジナルデザインのTシャツを作ろう、という趣旨のイベントです。

Tシャツの絵柄パーツを選び、配置していく

ADVERTISEMENT

この写真だと「高輪ゲートウェイ駅」の絵柄をTシャツ上に配置していくイベントのように見えますが、使用できる絵柄はそれだけではありません。本イベントを主催するJR東日本スタートアップ株式会社が株式会社ヘラルボニー(※2)とコラボしたことで、知的障害のあるアーティストが描くアート作品をTシャツ上に自由に配置できるようになっています。

プリントTシャツ制作は1回2,500円。ただし不要な衣類を持ち寄れば1回につき500円引きになります。衣類の素材は問いません。

回収した古着は素材別にリサイクル事業者に振り分けられる

※1……サーキュラーエコノミーとは今まで「ゴミ」とみなされていたものを「資源」と認識し直し、廃棄物を出さないようにする経済循環の仕組みのこと。

※2……株式会社ヘラルボニーは知的障害のあるアーティストの育成及びマネジメントなどを行い、福祉を軸とした社会実験を共創する新興企業。JR東日本スタートアップと連携し、2019年12月27日(金)より吉祥寺をアート作品でラッピングしており、地元の方からも「駅が綺麗になった」と評価されています。今回のTシャツの売り上げ金の一部は知的障害のあるアーティストに還元します。

サステナブルnanoblockで作る「高輪ゲートウェイ駅」

イベントスペースにはサステナブルnanoblockを使用して作られた「高輪ゲートウェイ駅」のジオラマも展示されています。

サステナブルnanoblockは「高輪ゲートウェイ駅」のジオラマにのみ使用
「高輪ゲートウェイ駅」のジオラマ販売は2020年夏頃予定 価格等は未定

こちらは「JR東日本スタートアッププログラム 2019」において「優秀賞」を受賞した日本環境設計株式会社とJR東日本グループとの協業プラン。日本環境設計株式会社は日本マクドナルド株式会社のリサイクルパートナーも務めており、「マックでおもちゃリサイクル」により全国のマクドナルド店舗から回収されたハッピーセットのおもちゃをジオラマの素材に作り替えています。

おもちゃからnanoblockを生成していく様子

本イベントを主催するJR東日本スタートアップ株式会社の阿久津さんは「リサイクルをビジネス化し、採算ベースに乗せていくことを目指している」とコメント。JR東日本グループはこうした実験を踏まえ、 利用者の利便性を高める新たなサービスや、 SDGs達成に向けた取り組みを推進していくとしています。

「STARTUP_STATION in 品川駅」は2020年2月23日(日)まで中央改札内イベントスペースで開催。開催時間は12:00~20:00(初日のみ14:00~20:00)です。

記事/写真:一橋正浩