常豊信号所
2014年7月30日撮影

常豊信号所
2014年3月21日撮影

1966年(昭和41年)に旧国鉄の信号場として設置されました。通票閉塞時代に使われていた相対式ホームが残っており、過去旅客扱いをしたことがないのに、何故か、駅名標があるという不思議な信号場です。この信号場は「駅名標がある信号場」として鉄道ファンの間では有名です。

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しかも、不思議なのは旧国鉄時代の駅名標が、民営化されJR北海道に替わった時にJR北海道の仕様で新たに作られていることです。JR北海道も洒落が分かる!

元々駅だったものが信号場に「格下げ」されることは多くあります。例えば、この石北本線の上越は1975年(昭和50年)に駅周辺が無人地帯になったために信号場になりましたが、今でも駅舎は保線詰所に使われています。写真を撮った時は、上川から乗車した保線作業員が、信号場は旅客扱いしないために運転席横の扉からハシゴをかけて交代していました。

上越信号所
2014年3月20日撮影

ホームも駅名標もありませんが、駅名がそのまま残されています。駅舎のガラスに交代する保線要員が写っています。無人地帯で何をするのか尋ねたら「除雪です」と教えてくれました。

上越信号所
2014年3月20日撮影

昨今JR北海道は経営がシンドイと主張しています。2016年11月に「自社単独で維持することが困難な路線」10路線13区間を発表しました。その中で常豊信号場のある帯広〜釧路間は当面JR北海道が運営・維持する区間になっています。

この信号場に保線詰所の建物があります。通票交換時代の詰所がそのまま使われているのです。

常豊信号所
2014年3月20日撮影

帯広から釧路に向かう普通列車はこの信号場で交換待ちをすることも多いので、通りかかったらゆっくり眺めてみてはいかがでしょうか?

(写真・記事/住田至朗)