C11 325が青いDE10・14系客車と並ぶ 東武はSL2機体制へ
2020年7月31日、かつてJR東日本や真岡鐵道で運行していた蒸気機関車C11 325が東武鉄道の南栗橋車両管区へやって来ました。
C11 325は1946(昭和21)年に製造され、国鉄で使用されていた蒸気機関車。1972(昭和47)年に廃車となり、翌年から水原中学校(新潟県)で静態保存されていました。1998(平成10)年に動態保存が始まり、以来、主に真岡鐡道で運転を行ってきました。
2019年3月に芳賀地区広域行政事務組合において入札の公告がされ、東武鉄道が応札。2019年12月1日に真岡鐡道線でラストランを行ったのち、本年7月30日に東武鉄道が譲受しました。
新たなSLを投入することで、片方が検査などの都合により運行できない時でも年間を通してSLを走らせられるようになるほか、構想の段階ではありますが、SL同士のすれ違いなども実現出来るようになります。
報道公開ではC11 325のみならず、JR東日本より譲受したディーゼル機関車DE10 1109や、かつて急行「はまなす」などで使用されていた14系客車スハフ14 501(JR北海道より譲受)もお披露目されました。
DE10 1109は全般検査を実施したJR東日本の秋田総合車両センターで現在の青の塗装に塗り替えられ、埼玉に来てから東武鉄道の関連会社により流星のマークを付けられています。こうしてDD51形ディーゼル機関車の塗色を模した塗装に変更されたことで、客車と合わせて往年の急行列車の懐かしさも楽しめるようになりました。
DE10 1109とスハフ14 501は8月より運用を開始。C11 325は安全装置の取付工事などを済ませたあと、本年12月より営業運転を開始します。東武鉄道は土休日を中心に最大4往復8本のSL運転を可能とする体制を整えることで、いつでもSLが楽しめる環境を作り、日光・鬼怒川エリアの活性化を図ります。
文/写真:一橋正浩