N700S量産車

JR西日本は16日(金)、2020年度中に「N700S」を2編成製作し、投入すると発表した。

N700Sは今年7月に営業運転を開始した東海道新幹線の新型車両だ。機器の小型軽量化を進め、16両編成だけでなく12両や6両~8両編成でも対応できるようにしたことから、国内外問わず様々な線区に対応できる汎用性を有している。

このほどJR西日本が新製する車両は、JR東海の車両と同様に全座席にモバイルコンセントが設置されており、グリーン車・先頭車・パンタグラフ搭載号車にはフルアクティブ制振制御装置を搭載している。乗り心地は抜群だ。

しかしN700Sの投入は快適性の向上を狙ったものというよりは、むしろ安全安定輸送の実現や異常時対応力の強化を図ったものと見える。

N700Sのブレーキ性能はN700A以上。地震時のブレーキ距離を5%ほど短縮し、安定性を向上させた。また大容量のデータ通信も可能であるため、機器データの取得・分析も容易になり、車両の状態を監視することで早期に異常を発見できる。

車両に搭載されたバッテリ自走システムはN700Sの特長の中でも特に際立っているもので、長時間停電時にも乗客が避難できる場所まで自力走行ができる。自然災害の多い国では特に求められる性能だろう。

N700S投入編成の主な特徴 画像:JR西日本

N700Sの投入予定は2021年2月以降。同社は車両トラブルなどの発生時に、より柔軟な車両運用を実現するとしている。

鉄道チャンネル編集部