長崎電気軌道は、イベント車両として動態保存していた151号・1051号を、動態保存の維持管理が難しいという理由から、譲渡先を決めた。

空色の151号車は、「小田原ゆかりの路面電車保存会」へ。1051号は埼玉県の西武園ゆうえんちへ渡る。

150形(もと箱根登山鉄道)は大正14年、服部製作所で製造。王子電気軌道400形(高床式木造ボギー車)として登場し、昭和17年に東京都電に引き継がれ、さらに昭和27年に箱根登山鉄道小田原市内線へ譲渡されたくるま。

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昭和31年に箱根登山鉄道小田原市内線が廃止されるのにあわせ、車両のボギー化をすすめめていた長崎電気軌道へ昭和32年2月に譲渡。

もとの全長は11メートル80センチあったのを、当時の長崎電気軌道標準寸法である11メートルに短縮する改造が施された。

オレンジ帯の1051号(もと仙台市交通局)は昭和27年7月、新潟鉄工所で製造。仙台市初のボギー車80形(昭和29年に100形と改称)の2次車として登場。

仙台市時代のワンマン化改造で、両端ドアから前中ドアに改造した経歴があるめずらしい車両。すべてのドアが引き戸式。

昭和51年3月末、仙台市交通局軌道線の全廃時に長崎電気軌道へ譲渡された。

1050形の名称は、仙台市電になぞらえてセンダイ(1000番台)とし、昭和51年(50年代)運転開始にあたり1050番台とした。現役の旧仙台市交通局の車両としては、国内唯一の車両という。