6駅それぞれの参画企業とサービスイメージ 画像:JR東日本

JR東日本は2020年12月1日から、「非接触型ディスプレイ案内AI」を山手線渋谷、新宿、高輪ゲートウェイはじめ首都圏6駅に試行設置して、AI(人工知能)による旅客案内の有効性を見極める。2018年のスタートから3年目で、今回はコロナ禍時代に合わせた安全・安心の確保策として初めて画面に触れなくても操作できる非接触型ディスプレイを採用した。6駅のうち高輪ゲートウェイ駅では、AIシステムを有人改札カウンターに導入し、駅社員との連携で一部改札業務をAI化する実証実験に取り組む。試行期間は6駅すべて2021年1月31日まで。

JR東日本は将来的に案内AIシステムを採用する構想で、「案内AIみんなで育てようプロジェクト」を立ち上げた。3年目の今回は凸版印刷、成田国際空港(NAA)などグループ内外合わせて11社との協業で、JR東日本単独で解決が難しい社会課題や次代の公共交通のあり方について、部外企業の力も借りながら解決を目指す。

実証実験では、センサー式とカメラ式の2方式の端末を試行。センサーは一般的なタッチパネルの感度を高め、画面に触れなくても操作できる。カメラは画面に手を近付けるとカメラが認識してカーソルが出現し、指を動かすだけで操作可能とする。

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6駅のうち高輪ゲートウェイ駅では12月中旬から、一部改札業務の遠隔案内を実証する。有人改札に非接触ディスプレイを設置。改札業務で多い質問は案内AIが対応し、答えられない場合は駅係員が駅事務室から遠隔回答する。運賃精算など遠隔対応が難しい業務、サポートなどが必要な利用者への対応については従来通り駅社員が担当する。

駅ごとのAIディスプレイ設置数は、品川駅4台、新宿駅5台、池袋駅7台、高輪ゲートウェイ駅5台、京葉線海浜幕張駅5台、成田線空港第2ビル駅4台。

文:上里夏生