北陸の冬の見どころを満載したガイドブック「北陸冬物語」 写真:JR西日本

JR東日本、JR東海、JR西日本の3社は北陸三県誘致促進連携協議会と共同で2020年12月から2021年3月までの4ヵ月間、福井、石川、富山の各県を対象にした「Japanese Beauty Hokurikuキャンペーン」を展開している。観光オフシーズンの冬季にJR複数社が共催する誘客策で、同時期にJRグループのデスティネーションキャンペーン(DC)として実施される、「京の冬の旅」の成功手法を一部踏襲する。

2004年にスタートし、今季が16回目。2015年の北陸新幹線金沢延伸開業で、現在は首都圏との観光流動が拡大する北陸だが、北陸3県はJR西日本のテリトリーで、キャンペーンも同社が主導する。テーマは「日本の美は、北陸にあり。」――美食、美観、美技、美湯、美心の5つをキーワードに、地元が多彩な観光メニューを用意し、JR3社が送客する。

具体的には、美食は富山県射水市の新湊漁港で昼セリを見学して冬が旬の紅ガニを味わう。美観は、同県南砺市の世界遺産・五箇山合掌造集落をライトアップする。美技は石川県金沢市の金ぱく貼り、美湯は福井県あわら市のあわら温泉街歩き、美心は同県永平寺町の永平寺禅体験などが目玉だ。

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地元のJR西日本金沢支社は、観光列車運転で来訪客や鉄道ファンを歓迎。城端・氷見線にキハ40形がベースの「ベル・モンターニュ・エ・メール(べるもんた)」、七尾線にキハ48形改造の「花嫁のれん」、第三セクターのあいの風とやま鉄道に国鉄形電車をダイニング列車に仕立てた「一万三千尺物語」を運転する。

キャンペーンPRでは、モデルの中島沙希さんを起用したポスターを駅などに掲出。食を中心に北陸の魅力を発信する、ガイドブック「北陸冬物語」も充実した中身だ。

文:上里夏生