山梨県甲府市で1945(昭和20)年に設立、路線バス・高速バス・観光バス・タクシー、旅行業、不動産賃貸業などを主事業とする山梨交通。

この山梨交通は、鉄道事業を営んでいた、山梨電気鉄道がルーツ。1930(昭和5)年、当時の国鉄 中央線 甲府駅から南へ20kmの線路をのばした、山梨交通電車線。

その山梨交通電車線の開業から90年、山梨交通創立75年を記念し、山梨交通は山梨交通電車線 貢川駅跡地に記念碑と、駅名標を設置したミニ公園を整備した。

「ボロ電」の愛称で地元に親しまれた山梨電気鉄道

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山梨電気鉄道 電車線は、1930(昭和5)年、甲府~小笠原(南アルプス市)の19kmで運行を開始した単線1車両の路面電車。

当時の人たちから「ボロ電」という愛称で呼ばれ、市民の足として親しまれ活躍した。

その後、甲府~青柳(富士川町)の全線で開通し、1両の電車が20.3kmを55分ほどで結んでいた。

そんなボロ電は、甲府駅を出発すると、県民会館の交差点を南下、荒川橋を渡って現在の廃線跡を行く。

甲府空襲のさい、市中心部の架線が消失したことから、上石田駅が始発駅になったこともあった。

終戦直後、バスや自動車が不足。利用客数が大きく増加したボロ電は、全盛期をむかえる。

1946(昭和24)年には、国鉄との連絡輸送が始まり、ボロ電は市民の足としてのほか、全国むけ小荷物の輸送機関としても活躍した。

誕生から17年、1962(昭和37)年にそのボロ電が廃止。その廃線跡は、いま車道として残っている。

山梨電気鉄道誕生から90年が経ったいま、山梨県は日本唯一・国内最大の水素 燃料電池の技術集積地へと進化。

甲府駅の南では、リニア中央新幹線 新駅設置計画が具現化し、JR東日本や鉄道総研が手がける超電導フライホイール蓄電システムの実証機が動き出した。

◆水素 燃料電池の国内最大 技術集積地――山梨県、リニア中央新幹線 新駅の南で開発すすむJRの超電導フライホイール蓄電システム実証機
https://tetsudo-ch.com/10949673.html

リニア中央新幹線 甲府駅(仮)予定地。左の建物が甲府技術支援センター。田んぼのまんなかあたりに駅ができるイメージ。JR中央線甲府駅はこの写真奥、12kmほど先にある。