九州や北陸の新幹線建設現場で活躍する特殊な工事用機械たち
九州新幹線(西九州ルート)長崎―武雄温泉間や北陸新幹線の金沢―敦賀間では、それぞれ2022年秋ごろ、2024年春ごろの完成を目指し工事が進む。最先端の新幹線建設現場では、普段はなかなかお目にかかれない工事用機械がひっそりと活躍している。
たとえば仮軌道の敷設を行う「レール送込み装置車」や、仮軌道上を走行して軌道スラブの運搬・敷設を行う「スラブ運搬敷設車」、架線の取り付け作業に使う「架線作業車」……そんな特殊な工事用機械たちを、鉄道・運輸機構(JRTT)が動画で紹介している。
通常の建設現場では、工事を受注した会社や協力会社の保有する建機やレンタルなどで用意された建機が使用されるものだが、鉄道の建設現場、なかでも整備新幹線となると、効率的な施工のほか、高速走行の安全性に適した品質を確保するため、一般の建機では施工条件に対応できない。そのためJRTTは鉄道建設に特化した機械を自らで調達・保有し、工事が必要な箇所で工事業者に貸し出している。
これらの工事用機械たちは、軌道敷設や電気工事といった終盤の工程で活躍する。建設現場の防音壁などの覆いから、オレンジ色の機械がひょこっと頭を出しているのを見つけたら、その線区の完成も近い。そうして一仕事終えると、工事用機械たちは保守整備ののち他の線区に移る。北陸新幹線金沢延伸工事で活躍した機械が、北海道新幹線新青森―新函館北斗間の工事でも働くといった具合に。
建設中の新幹線工事現場以外で稼働するケースもある。2004年に発生した中越地震の際は、被災した上越新幹線の復旧のため、JRTTが運用ができる状態で保管していた工事用機械を貸与した。また、台湾高速鉄道の建設のため貸し出されるという海外で活躍する事例もあった。
鉄道チャンネル編集部
(※画像は全てJRTT広報動画から)