ステーションワークに対応する、JR九州ホテルブラッサム大分(左)とJR九州ステーションホテル小倉の客室イメージ

JR東日本のシェアオフィス事業「STATION WORK(ステーションワーク)」が、九州・沖縄エリアに広がる。JR東日本と、JR九州グループのJR九州ホテルズ、JR九州ステーションホテル小倉の両社は九州・沖縄を中心とするJR九州系13ホテルでの事業提携を発表。2021年3月10日からTHE BLOSSAM(ザ・ブラッサム)、JR九州ホテルブラッサム、JR九州ホテル、JR九州ステーションホテル小倉で、テレワークに対応するホテル客室の提供を開始した。

JR東日本が、駅ナカビジネスのステーションワークを始動させたのは2018年11月。当初は駅コンコースなどに個室仕様の「STATION BOOTH(ステーションブース)」を置き、移動中や出張の書類修正、連絡に利用してもらう構想だった。

そうした中、コロナ禍の2020年にテレワークやリモートワークが急速に普及。ステーションワークに成長可能性を認めたJR東日本は駅ナカを飛び出し、グループ(一部グループ外も)ホテルの客室をテレワーク用に提供した。さらに、昼はレジャー、夜は仕事のワーケーションに対応するなど、事業領域を広げてきた。今回は勢いに乗って、JR九州系ホテル2社との提携に至った。

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JR東日本とエリア外のJRホテルとの提携は比較的珍しく、ホテル側が客室にインターネット接続環境や加湿機能付き空気清浄機、携帯電話充電器、デスクライトなどを用意して、利用客に半日または1日単位で貸し出す。JR九州系ホテルとしては、コロナの影響を受ける客室の稼働率向上が図れるほか、首都圏などからの出張客の利用が期待できる。

対象はJR九州ホテルズのTHE BLOSSOM HIBIYA(ザ ブラッサム日比谷)、HAKATA Premier(博多プレミア)、KUMAMOTO(熊本)、JR九州ホテルブラッサムの新宿、博多中央、福岡、大分、那覇、JR九州ホテルの小倉、長崎、宮崎、鹿児島、それにJR九州ステーションホテル小倉。このうち熊本は、一足遅れて2021年4月23日のサービス開始を予定する。

JR東日本は、ステーションワークで利用者の〝新しい働き方〟のニーズに対応。2023年度までに、今回のようなエリア外を含め全国1000カ所への事業拡大を目指す。

文:上里夏生
(画像:JR九州ホテルズ、JR九州ステーションホテル小倉)