桜のトンネルを走る「嵯峨野トロッコ列車」のバーチャル乗車イメージ

JR西日本グループの嵯峨野観光鉄道は2021年3月15日から、〝自宅で楽しむ観光体験〟をキャッチフレーズに、四季の風景の中を走る観光列車「嵯峨野トロッコ列車」にバーチャル乗車する、「360度動画」を有料配信している。

電化準備と複線化のため1989年3月、新線に切り替えられたJR山陰線の旧線を観光鉄道化した嵯峨野観光鉄道は、トロッコ嵯峨~トロッコ亀岡間7.3kmに、1991年4月からトロッコ列車を運行する。利用客はほぼ全員が観光客で、訪日外国人の利用も多い同社にとって、コロナの打撃は大きく、収束後に向けた反転攻勢策の一つとして動画配信で情報発信することにした。

春から秋へと移り変わる季節に応じて、桜、新緑、紅葉を背景に列車が行く動画は、360度カメラで撮影。視聴するスマートフォンの向きを変えると、ジャイロセンサーが反応して画像の向きが変わり、迫力いっぱいの臨場感が味わえる。

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配信は動画サービス「ハコスコ」からで、嵯峨野観光鉄道のインターネットショップ・トロッコNETステーションで、動画購入権を購入。メールアドレスで送られるPINコードを、サイトに入力すると動画が見られる。

嵯峨野観光鉄道は、バーチャル乗車に熱心。昨秋の紅葉シーズンには、中国のネットショッピング大手のアリババと共同で、「京都バーチャル旅行イベント」と銘打ち、トロッコ列車や、展示施設があるトロッコ嵯峨駅から実況生中継している。

文:上里夏生
(画像:嵯峨野観光鉄道)